白石隼也(36)が30日、都内で開催中の東京国際映画祭コンペティション部門に出品された映画「妖怪、化物をひろう」(池田暁監督、12月25日公開)舞台あいさつ、Q&Aに、池田暁監督(50)と登壇。劇中で八百屋の柳を演じるが、並行して主演の余貴美子(70)が演じるタエが育てる奇形の赤ん坊ハルのパペットを操作する、操演も務めている。本編を見終わった観客に向かって「見ての通り、僕の芝居より、ハルを扱う時間の方が長い。スタッフのように入っていて、役者としての出番が来ると、俺かぁ? という感じでしたね」と振り返り、会場を笑わせた。
「妖怪、化物をひろう」は、ロシアで1996年(平8)に実際に起きた、老婆が未確認生物を育てた出来事「アレシェンカとタマラ」に着想を得た池田暁監督(50)が、脚本から手がけたオリジナル作品。撮影は、台湾の金門島でオールロケで行われた。余は劇中で、見たこともない奇形の赤ん坊ハルを拾い、1度売ろうとするも取り戻して逃亡生活をするタエ、出演とプロデューサーを兼任したオダギリジョー(50)が警官の小宮を演じた。
白石は、撮影を振り返り「ハルの操演をやっていたので。(パペットを)日本で作って練習し、2週間前に行った」と説明。「言葉の壁もあり、難しいかなと思っていたんですけど(スタッフとは)映画でつながっているので、良い形でできた」と手応えを口にした。
質疑応答で、操演も兼任した経緯について聞かれると「そもそもは僕じゃなく、台湾の伝統の人形遣いにやっていただく話だった」と、プロの人形遣いに依頼していたと説明。ただ、ハルのパペットの完成が延びてしまい「日本で練習してから行くという話があって、僕に話が来た。推測ですけど、たまに監督業もやっていることを監督、プロデューサーが知っていて、やって欲しいと言われ、受けた次第」と、ピンチヒッターとしての依頼だったと明かした。
ハルの操演の舞台裏も明かした。「最大5人で動かしている。僕がディレクションして、1つのキャラに命を吹きこむ。(台湾のスタッフとの言語の違いもあり)意思疎通が難しかった」と振り返った。どのように、ハルの役作りをしたか聞かれると「僕なら、どうやるかな? というのをハルを通してやった」と説明した。
ハルと柳の役作りの違いについて聞かれると「ハルは赤ちゃんなので、何か壮大な目標があるわけじゃなく、おなか空いた、うんちしたいという感情を出していた。」と、まずハルの操演について説明。柳の役作りについては「台本に説明がなく悩んだけれど、別の街から来た男。村は退屈で慣習に縛られ、動いている、そことは違うものを持っている、という認識でやっていました」と明かした。
◆「妖怪、化物をひろう」 12年前の暴風雨で深い傷を負った小さな町で、老女タエ(余貴美子)は焼き団子(ワンズ)を売りながら静かに暮らしている。ある日、岩山のそばの雑木林で見つけた、見たこともない奇形の赤ん坊は団子しか食べず、町の人々は妖怪だと恐れた。タエは人買いに売ろうとするが、思い直して取り戻し、そこから赤ん坊ハルの逃亡生活が始まる。家を追われ、姉の家を訪ね、認知症を患う元夫・文雄(きたろう)と妻菊子(片桐はいり)の家を訪ね、警官の小宮(オダギリジョー)の家に身を寄せながら町をさまよう。ハルの存在を信じようとしない人々は、タエを精神異常者として病院に収容してしまい、必死に逃げ出して帰宅して目にしたのは、息も絶え絶えのハルの姿だった。



