イラン中部イスファハン近郊の空軍基地に19日攻撃があり、イラン軍事筋は無人機3機を撃墜したと明らかにした。複数のイスラエル国防当局者は、同国による攻撃だと米紙ニューヨーク・タイムズに認めた。14日未明にイランから大規模攻撃を受けたことへの反撃とみられる。イラン軍事筋は、イスラエルへの再攻撃は「現時点で検討していない」と語った。イスファハン州ナタンズにある核施設への被害はないという。

昨年10月から続くパレスチナ自治区ガザでの戦闘が波及して激化したイスラエルとイランの軍事的対立は報復の連鎖に発展した。国際社会が強く自制を求める中、米FOXニュースは軍事筋の話としてイスラエルの反撃は「限定的」だったと伝えた。ただイスラエル政府は公式には発表しておらず、事態が収束に向かうかどうかは不透明だ。

国際原子力機関(IAEA)もX(旧ツイッター)でイランの核施設に損傷はないと表明した。ほかの被害状況は明らかになっていない。シリアの国営通信は、イスラエルがシリア南部の防空設備をミサイルで攻撃したと伝えた。

イラン軍事筋は無人機は少なくとも5機で、国内で発射された可能性が高く、国外からの攻撃は確認していないと明らかにした。国営イラン通信によると、軍幹部は、イスファハン州での爆破音は防空システムの作動に関連しているとし、被害はなかったと説明した。

米メディアは当初ミサイル攻撃だったと伝えたが、イラン軍事筋は共同通信に、ミサイル攻撃ではなかったと述べた。

今月1日の在シリア・イラン大使館への攻撃の報復として、イランは13日夜~14日未明、弾道ミサイルや自爆型無人機でイスラエルを大規模に攻撃した。イランがイスラエルを直接攻撃したのは初めてで、イスラエルは報復する権利があると宣言していた。(共同)