藤井聡太6冠(24)の王座復位が来年以降に持ち越された。将棋の第74期王座戦挑戦者決定戦(5日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」)で広瀬章人九段(39)に敗れた。午前9時から広瀬の先手で始まった対局は、相掛かりから終盤、双方が何度か勝ち筋を逃して二転三転する混戦となった。双方1分将棋になると午後8時53分、117手で広瀬が勝ち、王座戦初挑戦を獲得した。
終局前、藤井は天を仰いだり、ため息をついていた。何度か詰みを見逃した末、手にしかけた挑戦権獲得がスルリと滑り落ちた。「陣形が良くないので、難しかった。何か手段があるかと思ったが、見通しを立てることができなかった」と振り返る。
前期の王座戦では、伊藤匠現王座に2勝3敗で敗れてタイトルを失った。今期16人による挑戦者決定トーナメントで斎藤明日斗六段、佐藤天彦九段、丸山忠久九段を下し、挑戦権獲得まであと1勝としていた。
広瀬には2019年11月、7人総当たりの王将戦挑戦者決定リーグ戦の最終一斉対局で4勝1敗の同星で当たった。勝った方が挑戦権獲得という重要な一戦を落とし、タイトル初挑戦は20年6月の棋聖戦まで待たなければならなかった。今回は7冠復帰の道を阻まれた。
「本譜は見落としが多く、ぬるいというか、読みが甘いところが出た。残り1時間切ったあたりから悪手が続いてしまった。そのあたりを改善しなければいけないと感じています」。
現在、王位戦7番勝負で伊藤の挑戦を受けている。2勝1敗として第4局を今月18、19日(長崎市)に控えている。気持ちを切り替えて、こちらの防衛戦に集中する。

