6連覇を目指す藤井聡太竜王(名人・王位・棋聖・棋王・王将=23)が棋聖戦5番勝負に続いて服部慎一郎七段(27)の挑戦を受ける、将棋の第39期竜王戦7番勝負第1局(東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」)は9日、後手の服部が44手目を封じ、初日を終えた。

午後6時、立会人の森内俊之九段が「次の手を封じてください」と告げると、「封じます」と即答した。藤井の見ている前で行おうとして、慌てて控室へと向かった。赤ペンで封じ手の入った封筒の裏に書く署名は自身の名字を丸で囲むように、名人戦などで封じ手の経験がある森内ティーチャーから教えてもらった。通常なら盤の横から差し出すが、藤井に封筒を渡す際も盤の上から差し出した。

何もかも初めてのこと。初のタイトル戦は今年6~7月、1日制5番勝負の棋聖戦は経験している。2日制7番勝負は初登場だから無理もない。

盤の向こうでじっと座っていた藤井も20年7月、札幌市で行われた王位戦第2局で初めて封じ手を経験している。この時は、立会人を務めていた深浦康市九段に封筒の向きを180度直すよう促されている。

局面は前例のない力戦調の相掛かり。お互いの玉は1手も動いていない「居玉」のままだ。研究手順なら開始から1時間ほどでスイスイと進むくらいの手数だが、本局はじっくりと読みを入れて進行している。本格的な戦いは、封じ手を開封して10日午前9時に再開となった後の数手で起こりそう。