大阪・新世界の「通天閣」(大阪市浪速区、108メートル)が28日、再建後に開業して70周年を迎えた。展望台の営業開始の午前9時になると観光客が続々と入場し、お祝いムードに包まれた。近年はインバウンド(訪日客)も多く盛況が続く。大阪市を南北に貫く鉄道新線「なにわ筋線」の開業を控え、通天閣の知名度を生かした地域活性化に期待が高まる。
展望台の入り口では、70周年を記念したマグネットシートをスタッフが配布。観光客が笑顔で受け取っていた。「70YEARS」の文字などで飾られた地上87・5メートルの5階展望台では、子ども連れやツアー客が「すごい」「高い」と歓声を上げ眺めを楽しんだ。
70年前の開業日に生まれた堺市の西村和彦さん(70)は「幼い頃から来ている。天気も良く、記念に景色を見ようと思った」と声を弾ませた。運営会社「通天閣観光」の高井隆光社長(51)は「お客さまのおかげで新世界のシンボルタワーとして立ち続けられている。感謝の気持ちしかない」と話した。
初代通天閣は1912年に完成し、43年の火災で解体。現在の2代目は56年に開業した。通天閣観光によると、新型コロナウイルス禍の2020年度に約21万人に激減した年間入場者数は、近年130万人超と好調。展望台の他にスライダーなどのアトラクションが人気で訪日客でもにぎわう。
24年、当時の南海電気鉄道(現NANKAI)が通天閣観光を子会社化した。31年にはJR大阪駅北側から難波駅と南海の新今宮駅を結ぶなにわ筋線が開業予定で、新今宮駅に近い通天閣のブランド力も活用した沿線開発が進められる。(共同)

