築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の地下水モニタリング調査の最終結果で、有害物質のベンゼンが最大で環境基準の79倍検出されたことが14日、分かった。都が同日午後に開いた豊洲の土壌汚染対策を検討する「専門家会議」に暫定値として報告した。

 豊洲市場の地下水からベンゼンが環境基準の79倍検出されたことについて、小池都知事は14日、都内で行われた自身の政治塾「希望の塾」に出席後、報道陣に対し「想定を超える数値が出て驚いている。今回の調査は本来はもう飛ばされていた調査。最後までやってよかった」と述べた。

 今回の調査は、小池氏が昨年8月、同年11月に迫っていた豊洲移転を延期した際、調査期間2年としていた最後の9回目の調査も行うべきとして実施されたもの。小池氏は「都議会が(市場問題で)これまでどういうことを審議してきたのかも問われる」と発言。夏に迫る都議選に向け「これまでの流れに関わってきた都議会。そういったこと(都議選の争点化)も避けられないのでは」と強調した。

 昨年11月に小池氏が発表した工程表によると、4~5月に専門家会議と市場問題プロジェクトチームが豊洲の安全性を確認。環境影響評価を6~7月に行い、早ければ夏にも移転の可否を判断するとしていた。