財務省は4日、森友学園をめぐる決裁文書改ざんの調査報告書を発表し、当時理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官が、改ざんや交渉記録廃棄の方向性を決定付けたと認定した。計20人を処分し、佐川氏が最も重い「停職3カ月相当」。麻生太郎財務相は閣僚給与の1年分(約170万円)を自主返上しただけで懐事情はほぼ痛まず、辞任にも応じない意向を示した。

 改ざんの動機は、文書に政治家も登場するため、国会の紛糾を恐れ、回避するためだったと説明。佐川氏は「このままでは外に出せない」と述べたという。調査書には、改ざんする側に「本質的な内容を変えない。ギリギリ許される対応ではないか」と、甘い認識があったことも記された。

 一方、記録の廃棄は安倍晋三首相が夫妻の関与を全面否定し、関与なら辞任と明言した昨年2月の国会答弁がきっかけ。事実上、首相への忖度(そんたく)の実態がにじんだ。しかし、矢野康治官房長は「ヒアリングも文書をひっくり返して見ても、官邸への忖度の事実はない」と断言。一方で「忖度に類する概念を調査で述べた職員はいない。内心のうんぬんは分からないが」との見解も示した。

 麻生氏も、「なぜ答弁修正ではなく改ざんなのか」と問われ「それが分からんから苦労している。書き直しでなく、言い直しできたはず。最初のきっかけに関心がある」。組織ぐるみは否定し、「当時の理財局で行われた」と強調した。麻生氏が会見に同席したのは、4時間40分も続いた会見の冒頭15分だけだった。

 調査書では、担当だった職員が自殺に追い込まれた近畿財務局が、改ざんに猛反発していたことも判明。改ざんの真の理由が不透明なまま、役所を去った佐川氏に大きな責任を押しつけて、財務省という組織を守った結論。批判拡大は避けられない。