首相主催の「桜を見る会」問題をめぐり、追及の口火をきった共産党の田村智子氏が21日、参院内閣委員会で、安倍事務所枠の招待者が、開催要項を守られずに決まっていたのではないかと指摘した。

菅義偉官房長官らは、会の招待者の基準について「各界で功労功績のあった人々などを幅広く招待。招待者は各省庁などからの推薦を内閣府で取りまとめ招待状を送る」としている。

田村氏は各省庁の推薦基準は明確とした上で「安倍事務所は参加者を募っている。昭恵夫人と名刺交換した人には毎年招待状がきている」と指摘し、以下のように実態を説明した。

▼安倍事務所が今年2月に配布した参加申込書には氏名、住所、職業を書く欄はあるが功績・功労・肩書・役職などの記入がない。紹介者は本人でもいい。人選などできない。

▼申し込みした人にはすぐに安倍事務所から次の文書が届く。今年は「2月吉日」で「この度はご参加をたまわりありがとうございます」。内閣府が招待状を発送したのは3月2日以降。招待状が届く前に、安倍事務所があなたは参加ですという文書を出している。募って全部招待ということ。

田村氏は、首相、官房長官らの答弁が次々に変わる事態を「虚偽答弁」と追及。「時間がたてば、桜は散ると思っているのでしょう」と皮肉っていた。

同委員会ではまた、立憲民主党の杉尾秀哉氏が「反社勢力や反グレ組織など謎の面々も出席している。菅氏とツーショットの写真も撮っている」などと指摘した。菅氏は「面識はない。本人確認などセキュリティーを見直し、必要な対応を検討する」と答弁した。