国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7000万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた学校法人「森友学園」の前理事長籠池泰典(本名・康博)被告(67)と妻諄子(本名・真美)被告(63)の判決公判が19日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれた。泰典被告に懲役5年の実刑判決、諄子被告に懲役3年・執行猶予5年(いずれも求刑懲役7年)を言い渡した。

閉廷後、報道陣の取材に応じていた諄子被告の隣に突然、「青汁王子」として知られる三崎優太氏(30)が登場し、泰典被告の保釈金についてバックアップを宣言した。

諄子被告によると、泰典被告は刑事施設へ収容されたという。昨年9月に約1億8000万円を脱税したとして、法人税法違反などの罪で懲役2年執行猶予4年の有罪判決を受けた三崎氏は「公文書改ざんには根深い問題がある。僕も国税局や佐川さん(佐川宣寿前国税庁長官)には思うところがある。協力させていただく」と約束した。

籠池被告夫妻は大阪府豊中市内の自宅は競売で落札され、現在は同府内の別の場所で暮らしている。

逮捕後、籠池夫妻は大阪拘置所で約10カ月の長期勾留を強いられた。再び離れて、暮らすことになった諄子被告は「主人は立派だなと思いました。『いってらっしゃい』と送りました。この不当な裁判には納得できない」と訴え、「私の持ってきたサンドイッチを食べさせたかったけど、検察に連れて行かれた。お父さんには、がんばってほしい」と話した。

森友学園を巡っては国有地売却に絡む背任や財務省の決裁文書改ざんなどの疑惑が浮上したが、起訴されたのは籠池夫妻の詐欺事件のみだった。「民間人の私たちだけを起訴した時点で、おかしいと思った」と主張した。

「安倍総理に反逆したら、検察も裁判官もつながるのかな」と話し、かつて交流があった安倍昭恵氏に対して「嫌いです。ひきょうです」と言い放った。