東京都の小池百合子知事が今週末の外出自粛を要請して一夜明けた26日、都内の各スーパーに買い物客が詰めかけ、商品が一時的に品薄になった。

東京都中央区のスーパー「ニューみ乃り屋」も朝から夜に掛けて客足が途絶えることがなかった。同店の代表取締役小島義弘さん(50)は「売り上げは夕方までに通常の倍以上。食料品は全般的に売れていますが、まとめ買いの人が多いです。閉店したことはないけど、閉店セールみたい」と驚いた表情を見せた。

夕方までに米や卵、食パン、オリーブ油などが売り切れた。カップ麺やパスタも一部売り切れに。通常は米や食パンが売り切れることはほとんどないという。肉もほぼ売り切れ、急きょ追加発注がかけられた。

店は午後10時閉店だが、小池都知事の会見が行われた25日午後8時過ぎから、急に混み出したという。「小池さんがもう少し早い時間帯に会見してくれたら、仕入れも増やせたのに」とぼやきながらも「本部には当面、商品の在庫があると聞いている。週末は食品を多めに発注したので、あわてて買わなくても大丈夫です」と呼び掛けた。

東日本大震災直後も品薄となった。「あの時は物流がストップしたけど、今はストップしていないから発注すれば品物が入る。今回の品薄も一時的なものでしょう」と冷静にみている。

近くに住む会社員實重(さねしげ)瑞希さん(25)は鶏肉やツナ缶、根菜、チーズなどを購入した。「昨年の台風時にモノが何もなかったトラウマがあって、今回は食べ物を下ごしらえして多少は冷凍庫に入れておこうと、早めに行動しました」。子供3人を育てる主婦野沢聡子さん(39)は「お友達から『スーパーが混んでるよ』と連絡があって急ぎましたが、お肉があまりなかったりと、ビックリしました」と驚いていた。【近藤由美子】