新型コロナウイルス感染拡大防止のため2月29日から休園していた東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)が1日、124日ぶりに営業を再開した。

TDLの入場口前には、休業期間中に金属探知機が新たに設置され、探知機をくぐった来場者全員を、スタッフがおでこにあてる機械で検温した。「みなさーん、今日は早起きでしたよね。私も朝の4時ぐらいに起きました。おでこを出してくださいねぇ~」などと笑いを誘っていた。入場前の列も床に黄色いテープで停止線をはり、2人ずつ並ぶようにスタッフが指示していた。

園内で密にならないため、事前のインターネット予約でチケット販売システムを導入したことで、入場者を制限。さらに午前8時、同11時、午後2時の時間差入場を徹底した。また、ディズニー関連の8つホテルでの2泊目以降にはパークのチケットが購入できるようになっている。

3回の入場開始の直前、TDLとTDSを運営するオリエンタルランドの加賀見俊夫会長の録音音声による場内放送が流れ「ゲスト(来場者)のみなさま。東京ディズニーリゾートへようこそおこしくださいました。オリエンタルランドの加賀見でございます」とあいさつし「パークの再開にあたっては、ゲストのみなさまとキャスト(スタッフ)の健康と安全を最優先に考えた新たな対策を検討し、準備を重ねてまいりました。魔法あふれるディズニーテーマパークの世界を存分にお楽しみください」と説明。「それでは、オープンします!」と宣言した。

加賀見会長の音声あいさつはこの日の3回の入場の際に流すことになっており、このあいさつを耳にして間隔をあけて待っていた列からは拍手がわき起こり、涙ぐんで目頭をおさえる人もいた。

午前8時30分ごろゆっくりと来園した赤ちゃんを連れた女性2人組は、親子3代で訪れた徳山由香さん(49=東京・足立区)と娘の東畑沙耶香さん(23)と半年前生まれたばかりの澄空(そら)ちゃん。沙耶香さんはチケット購入できる25日に「購入予約のスタートする1時間前からパソコンの前で構えて、全然つながらなかったけど、4時間粘ってゲットしました」と話し「ワールドバザールで制服姿のキャスト(スタッフ)のみなさんが並んで笑顔で手を振ってくれて鳥肌が立ちました。泣きそうになっちゃった」と瞳をうるませた。

同9時ごろには愛知からきた石田哲之さん(35=岡崎市)と山内悠季衣さん(23=西尾市)が入場して大きくジャンプして喜びを表現した。石田さんは「もう、昨日は寝られんかった。うれしくて徹夜です、徹夜。緊急事態宣言後で県外を越えたのはこれが初めてです」とニッコリ笑った。

入場制限していることもあり、1日のTDLとTDSはゆったりとのんびりしていて「こんなに人のいないシンデレラ城は初めてかも」と叫びながらシャッターを押す来場者もいた。【寺沢卓】