東京都知事選は5日、投開票され、現職の小池百合子氏(67)が再選を果たした。

強力なライバル不在の中、公務を優先、新型コロナウイルス感染症対策に打ち込む現職をアピールしたが今後もコロナ対策や東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開催など、課題は山積みだ。前回選挙で掲げた目標もほぼ達成できず、1期目以上に厳しい目で見られ、2期目は政治家として正念場を迎えることになる。

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れいわ新選組公認の山本太郎代表(45)は、都内の開票センターで午後8時20分から会見した。「いやー、強かった百合子山。高かった百合子山」と、笑顔で口を開いた。

野党は組織票を含めて盤石な小池氏に対し、統一候補の擁立を目指したが、野党共闘の条件として「消費税5%」を主張する山本氏と、立憲民主党などが折り合わなかった。山本氏も支持層が重なる宇都宮健児氏と3月から出馬の「一本化」へ事前協議を重ねたが、物別れに。立民と共産、社民両党は宇都宮氏を支援、国民民主党は自主投票となり、山本氏の出馬で野党は分裂。野党票は分散し、小池氏圧勝を後押しする皮肉な結果にもなった。

山本氏は昨年の参院選のようなブームは起こせなかったが、れいわへの支持が広がっていることは実感している。6月15日から7月4日までの20日間で1億2970万4391円(8574件)の寄付金を集め、「今回の選挙戦で1億2450万777円を支出した」と明らかにした。

今後は次期衆院選への準備に入る。「次の選挙へ向けて、まだ十数名程度しか擁立できていない。候補者の擁立、面接、そして政策を深めていなくてはならない」と語った。【大上悟】