藤井聡太七段、初の「封じ手」署名忘れ指摘受ける

  • 藤井聡太七段が注文した昼食は(「中華セットランチ」日本将棋連盟提供)

将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が13日、2日制タイトル戦で初めての「封じ手」を行った。札幌市「ホテルエミシア札幌」で始まった木村一基王位(47)との第61期王位戦7番勝負第2局で、40手目を封じ、初日の対局を終えた。

午後6時、立会人の深浦康市九段(48)が初日の終了時刻を告げる。後手の藤井は声を掛けられて1分で封じ手の用紙を受け取ると、自室に戻って指し手を記入した。

午後6時7分、対局室に戻り木村に封筒を渡そうとすると、30歳年上の王位から指摘された。封じ手の用紙が入った封筒に書くべき署名がない。黙って挑戦者が赤ペンで名前を書き、次いで木村に署名をもらう。封筒を差し出す向きも、深浦九段に教わりながら預けた。第1局(愛知県豊橋市)では、立会人を務めた谷川浩司九段(58)にやり方を教わっている。諸先輩からの指導を受け、何とかこなした。

2日制のタイトル戦に出れば、これから何度でも行うであろう儀式だ。前日の会見では「展開次第で」と話していたが、第2局で出番が回ってきた。

第1局は54手目を木村が封じた。すでに駒がぶつかり合い、いきなり終盤にさしかかっていた。今回は先手の「将棋の強いおじさん」が、「じっくり時間を使って、考えて戦いましょう」と、17歳の少年に意思表示したようなもの。1手でも対応を間違えば、形勢が大きく傾いてまとめ切れなくなる。藤井はどんな手を用意したのか? 対局は、今日14日午前9時、再開される。【赤塚辰浩】

◆封じ手 初日の対局を決められた時刻で中断する場合、手番の人が翌日指す次の手を用紙に記入し、厳封して立会人に預ける手のこと。当然、相手には見せない。これで初日は終わる。将棋なら2日制7番勝負の王位戦、名人戦、竜王戦、王将戦で初日の午後6時に設定されている。封筒は通常、立会人が1通預かり、もう1通はホテルの金庫に保管される。翌日の対局再開前に、初日の指し手を再現。封じ手の局面で立会人がハサミで封筒を切って開封し、指し手を明言。封じた棋士がその手を指し、2日目が始まる。