約3カ月間、千葉県佐倉市の京成本線線路上の崖にすみ着いたことから、「ポニョ」と呼ばれた子ヤギが11日朝、無事に捕獲された。生後約半年のメスで、5月に近くに住む飼い主の志々目(ししめ)邦治さん(63)の元から脱走。線路上の崖に迷い込んでいた。

捕獲作戦では、崖の上にエサ、水、塩を置いた捕獲スペースを設置。11日午前6時55分、オスのヤギとメスの子ヤギ計2頭を崖の上にスタンバイさせたところ、「ポニョ」と同世代のメスの子ヤギ「さくら」が「メェ~メェ~」と鳴き出した。「ポニョ」がすぐに「さくら」の鳴き声に反応。スタンバイから約10分後の午前7時5分ごろ、崖に設置された管理用階段を元気良く駆け上がってきて、捕獲スペースに入り込んだところを捕獲された。

同県佐倉市によると、市、京成電鉄、志々目さんらで話し合い、電車の運行上、危険があること、また「ポニョ」の体調の心配もあり、急ぎ捕獲することになった。この日が3回目の「ポニョ」誘い出し作戦だったが、お手柄の「さくら」は初参加だった。市によると、「ポニョ」は脱水症状がみられるものの、元気で、一時的に近隣のヤギ牧場に預けられているという。

取材に応じた志々目さんは「本当にお騒がせしました。『ポニョ』ちゃんも人も傷つかずに捕獲していただき、感謝しています」とホッとした様子。久々の再会で「ポニョ」を抱っこしようとしたが、拒否されたという。「毛並みも良く、無駄な脂肪もなく、たくましい。すっかり野生化してしまった」と苦笑い。「(ヤギ牧場で)リハビリして、優しくなって帰ってきてほしい」と話している。【近藤由美子】