スペイン1部バルセロナなどで活躍したサッカー元ブラジル代表MFエジミウソン氏(45)が4日、都内で会見を開き、貧困でサッカーを続けることが困難な日本の子どもたちにサッカーを続けるための支援をする財団「エジミウソンファンズ・アジア」の設立を発表した。

エジミウソンファンズ・アジアは公式サイトやクラウドファンディングなどで支援、寄付を募る。その上で、18歳以下でサッカークラブに所属し経済的に続けるのが難しい選手に、サッカークラブを通じて、10万円の給付型奨学金を支給する。

エジミウソン氏自身、高校生だった90年代初頭は貧困だったという。当時、日本からブラジルにサッカー留学し、後に川崎フロンターレでもプレーしたMF林善徹氏と出会った。高校3年時にオレンジ畑で働いていた父の仕事が困難になり、林氏に「家族の生活を支えるためにサッカーをやめて働くことになるかもしれない」と相談。同氏が実家からの仕送りから、持っていた300ドルを渡されたことで、サッカーを続けることができ、ブラジルの名門サンパウロに加入。キャプテンを務め、フランス1部リヨン時代の2002年(平14)にはワールドカップ日韓大会に出場し、優勝し世界的な選手となった。

エジミウソン氏は、日本にも家庭の経済状況のために、サッカーを続けることができない子どもたちがいると知り、林氏への恩返しの意味も込めて一緒に財団設立を決意。エジミウソンファンズ・アジアを日本とシンガポールに立ち上げた。会見で、まず自身が代表理事を務めるエジミウソン財団について「私自身、現役を終えた第2の人生の中で、子どもたちのために何か出来ないかと考えていた。現役時代の時に立ち上げまして…サッカーと神に与えられた人生を子どもたちのためにささげたいと思い、始めました」と説明した。

その上で、このタイミングでのエジミウソンファンズ・アジア設立について「実は何度か、財団の活動で来日を考えた。もちろん、コロナのパンデミックで可能性がなく、自分の環境も含め、どのタイミングで出来るか…その中、日本で企画が立ちあがり、そこが伝える一番良いタイミングだと」と語った。そして「パンデミックで、日本でもサッカーを諦めざるを得ない子がたくさんいる、そのタイミングで来られたのも、1つの理由だと思います」と語った。

10万円の給付型奨学金は、所属クラブがエジミウソンアジアと提携することが条件で現状、提携を結んでいるクラブは日本国内で2つあるが順次、拡大の予定。また提携を結んでいないクラブも、コンタクトを取った上で支援の可能性を広げる方向だという。

クラウドファンディングは、今日4日から8月上旬まで実施。カカ、カフー、ロベルト・カルロスといったブラジル代表の名選手や現役Jリーガー、WEリーグの選手のサイン入りなどのグッズをリターンとして用意している。寄付とクラウドファンディングを通じて集めた資金を元に、どの子に支援をするか、最大限の対象を決め、年明けから実際に給付を開始する形になるという。

この日は、困難な状況にある子どもたちのための無料学習支援などを行う、NPO法人がサポートする子どもたちと、会場として使用した暁星小の児童ら54人にサッカー教室を開いた。エジミウソン氏は「やはり私自身、コロナの影響で全世界、難しい状況に陥った中で、子どもたちとの機会を持てて楽しめた。楽しむ気落ちをたくさん、育てないといけない。楽しむことが大事だと、子どもの笑顔を見て感じた」と笑みを浮かべた。その上で「子どものために出来るだけのことをやりたい。今回、来られなかった子どもたちもたくさんいると思う。財団として、きっかけを作っていきたい、スポーツを通じた環境作り、そのサポートをどうできるかが我々のミッション。感じたことを、ぜひ広げて欲しい」と訴えた。