政府は12日の臨時閣議で、第2次岸田改造内閣の副大臣(26人)と政務官(28人)の計54人を決めた。うち少なくとも自民党議員19人が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側とパーティー券の購入や会合への出席などで接点があったことを本人や事務所が認めた。議員側は説明に追われ「今後は関係を持たない」と口をそろえたが、やはり接点のあった閣僚計7人に続いて、自民党議員の根深い関係が露呈。岸田文雄首相は支持率急落を受けて新布陣でイメージ回復を急いだが、説明責任や調査の徹底などが一段と問われる船出となった。

19人は、副大臣が、デジタルの大串正樹氏、内閣府の和田義明氏、外務の山田賢司氏、文部科学の井出庸生氏、農林水産の野中厚氏、経済産業の中谷真一氏、国土交通の石井浩郎氏、環境の小林茂樹氏。政務官が、デジタルの尾崎正直氏、法務の高見康裕氏、いずれも外務の高木啓氏、吉川有美氏、文科の山本左近氏、いずれも国交の古川康氏、清水真人氏、環境の柳本顕氏、いずれも総務の国光文乃氏、中川貴元氏、内閣府の中野英幸氏。

関連団体などとの接点は、さまざま。大串氏の事務所は、関連団体から今年5月に6万円分のパーティー券を購入してもらったと明らかにした。山田氏も18年、4万円分を購入してもらったという。井出氏は昨年10月の衆院選の際、関連団体から打診があり、演説会に関係者数人が聴衆として参加する応援を受けたとし「反社会的な行為があった団体や個人との関係は見直す」と述べた。

小林氏は「19~21年の3回、関連団体の自転車イベントに出席した。実行委員長を務め、あいさつもした」と明らかにし「疑念を持たれないよう関係を見直す」。中谷氏の事務所は、今年4月に山梨県であった関連団体が協賛する大会であいさつしたと明らかにした。安全保障について話したといい「今後は慎重に対応していく」と話した。

旧統一教会の影が落ちる中、第2次岸田改造内閣はこの日、本格始動した。河野太郎消費者担当相は会見で、旧統一教会を巡る霊感商法の被害対応に関し「消費者庁の中で検討会を速やかに立ち上げたい」との考えを示した。「(霊感商法の相談は)最初に消費者庁に来る。一度締め直さなければならないと思った」とし、設置を指示したと明らかにした。また、近年は霊感商法より寄付を巡るトラブルの方が主流になっているとの認識を示し「これまでの対応を一度振り返ることも大事だ」とした。