立憲民主党の野田佳彦元首相は、2日に放送されたラジオ日本「岩瀬恵子のスマートNEWS」に出演し、先月25日に衆議院で行った安倍晋三元首相に対する追悼演説について、振り返った。

岩瀬に「どんな気持ちで(原稿を)書いたんですか」と問われた野田氏は「原稿用紙を前に非常に七転八倒した。ほめすぎると野党が引いてしまうし、ちょっとでも批判的な言葉があれば与党が引くし、ご遺族にも非礼があってはならない。ものすごく難しい。原稿用紙に向かってからたじろぎました」と明かした。

また「憲政史上最も長く総理を務めた方への追悼の言葉で、この役割を果たすのは荷が重いと思いました」と、原稿を書き上げるにあたって試行錯誤を重ねた様子をうかがわせた。

そんな中で練り上げた野田氏の追悼演説。「最初は(与野党が)固唾(かたず)をのんで聞いているのが分かる。原稿用紙11枚だったが、1枚読み終わった時に拍手が起き、23分、しゃべり終わった時に満場の拍手をいただいた。ある意味、自分の役目を果たせたかなと思った」という。

ただ、当日の役目はそこでは終わらず、演説後、安倍氏の議席に置かれたカーネーションの花と、署名をした追悼演説の原稿を、昭恵夫人に手渡しに行く役目も担った。その際、面会した昭恵夫人から「野田さんにお願いして良かった。主人も喜んでいると思います。今日、(原稿を)仏壇にお供えします」とねぎらわれたことで、「ようやく肩の荷が下りた」とも振り返った。