任期満了に伴う宮崎県知事選(25日投開票)が8日告示され、前職の東国原英夫前知事(65)と4選を目指す現職河野俊嗣氏(58)が同じ遊説ルートを選択しニアミスした。

東国原氏が宮崎県知事を1期で退任した11年の前年に発生した家畜の疫病口蹄(こうてい)疫で多くの家畜が殺処分された川南町の畜魂慰霊碑で2時間差のニアミス。台風14号の被災地となった山間部の椎葉村でもルートが重なった。

1期での知事退任から12年ぶりの復帰を目指す東国原氏は慰霊碑前で午前10時に第一声。「口蹄疫で殺処分された家畜の慰霊碑のある川南町から選挙戦を始めたかった」と力を込めた。当時、全国でも評価の高い宮崎牛を守るため優秀な種牛5頭を西都市に逃がした。「種牛を逃がしたのは私の政治判断。その対応の甘さから2期目を断腸の思いで断念した」などと経緯を説明。河野県政を念頭に「安定した県政もいいですが、新しい風、夢のある県政をお示しして宮崎のために必死で働きます」と、支持を訴えた。

対する河野氏は正午過ぎに慰霊碑を訪れ、念を押すように「私自身も副知事としてそこ(逃がしたこと)について尽力した」と述べて「いまさらなぜ戻ってきたのか。私は面白みがないとかいろいろ言われますが地味で何が悪いんだ」と東国原氏への対抗心を燃やした。

ほかに、政治団体代表の「スーパークレイジー君」(本名・西本誠)氏(36)も3人目の候補として手をあげた。宮崎駅前の街頭演説で給食費無償化などの政策を掲げ「17日間頑張ります」と訴えた。【寺沢卓】