G7サミット開幕前日の広島市内は全国から動員された警察官、機動隊員らによる厳戒態勢でピリピリムードだ。その一方で、当地のソウルフードのお好み焼きに「G7お好み焼き」や、ギョーザの「G7餃子」が誕生し、厳戒の街を食で盛り上げている。

広島の魅力を発信する「ひろしまブランドアンバサダー」の一員でもある一般財団法人「お好み焼アカデミー」(西区)は7カ国の食文化にちなんで7種類のお好み焼きを広島在住の外国人らの協力を得て開発した。米国はハンバーガーのバンズを使用、フランスは生地にそば粉を加えたガレット風。ドイツはソーセージとザワークラフト、ポテトを重ねた。カナダはリンゴをサンドして特産のメープルシロップの甘みが特徴。イギリスはフィッシュ&チップスを合体させ、イタリアはパスタ麺にカルボナーラソースと融合したレシピだ。

各店舗ごとにレシピをアレンジして提供しており、原爆ドームから徒歩10分ほどの「味わいお好み一力(いちりき)」(中区)で日本とフランスを試食した。目玉焼きと納豆を乗せたオリジナル(1200円、税別)は想定を裏切らない広島風で岸田首相も納得? 「フランスはグラタン発祥の国らしい」と店主の新田浩貴さんがアレンジしたフランス風(1300円、同)はグラタンソースがマッチし、マクロン大統領にもぜひトライしてもらいたい。店でも「みなさん面白がって注文されます。たぶん警備関係者だと思いますが、お持ち帰りも増えてます」(新田さん)と好評だ。

原爆で焦土と化した広島で、食糧難で苦しむ人々の空腹を満たしたお好み焼きは復興を象徴するソウルフード。G7各国首脳らは夕食会などで地元広島の食材を用いた極上の料理を堪能する予定だが、可能ならば広島と母国の食文化を融合させた食の多様性を味わってもらいたいものだ。【大上悟】