岸田文雄首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で逮捕された木村隆二容疑者(24)が、被選挙権の年齢制限などを巡り国に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は25日、控訴を棄却した。
本多久美子裁判長は木村容疑者の請求を退けた1審の神戸地裁判決を支持した。
訴訟記録によると、木村容疑者は昨年6月、公職選挙法の被選挙権(30歳以上)を満たさず、300万円の供託金も用意できないため参院選に立候補できないのは憲法に反するとして国家賠償請求訴訟を起こしていた。同年11月の1審判決で請求は棄却され、木村容疑者は「判決は全部不服である」として、控訴していた。
代理人の弁護士を付けない「本人訴訟」だった。
昨年10月に神戸地裁に提出した準備書面には「岸田内閣は故安倍晋三の国葬を世論の反対多数の中、審理を経ずに閣議決定のみで強行した。このような民主主義への挑戦は許されるものではない」と批判し、「政治家が国民のために存在しないに至ったのは制限選挙を続けてきたからであり、既存政治家がそれによって当選する仕組みを作り上げたからである」と主張していた。
木村容疑者は逮捕後黙秘を続けており、事件につながる動機は明らかになっていない。【松浦隆司】
◆岸田首相襲撃事件の経過
▼2022年6月24日 被選挙権の年齢制限などを理由に参院選に立候補できなかったのは憲法違反として木村隆二容疑者が提訴
▼11月18日 神戸地裁が請求棄却の判決
▼12月1日 容疑者が大阪高裁に控訴
▼23年4月15日 岸田文雄首相の選挙応援演説会場に爆発物が投げ込まれ、和歌山県警が威力業務妨害容疑で容疑者を現行犯逮捕
▼同16日 県警が容疑者宅を家宅捜索。黒色火薬の成分を含む粉末や金属製の管、工具類を押収
▼5月6日 火薬を無許可製造したとして火薬類取締法違反容疑で再逮捕
▼同19日 和歌山簡裁が鑑定留置を認める決定
▼同25日 大阪高裁が控訴棄却の判決(共同)


