将棋の最年少7冠、藤井聡太王位(竜王・名人・叡王・棋王・王将・棋聖=21)が佐々木大地七段(28)の挑戦を受ける、「伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦7番勝負第4局」が15、16日に佐賀県嬉野市の老舗旅館「和多屋別荘」で行われる。

開幕3連勝で王位4連覇にあと1勝と迫る藤井が一気に決め、8冠全制覇へ弾みをつけるか。初タイトル獲得を目指す佐々木が1勝を返し、踏みとどまるか。

嬉野温泉街にある和多屋別荘。かつて昭和天皇も宿泊された特別貴賓室「洗心の間」の対局室で、両者は14日、使用する盤や駒など確認する前日検分を行った後、ファンや関係者ら約150人が出席した前夜祭で、決意表明を行った。

8大タイトルのうち7冠を保持し、残る王座戦の挑戦権も獲得している藤井は「さきほど、おやつと食事のメニューを見ていたが、お茶だけでも何種類もあり、長考してしまった」と会場をわかせ、「一手一手の内容の濃い将棋にしたい」と意気込んだ。

王位戦の嬉野対局は「三度目の正直」となる。藤井の2連覇がかかった21年、3連覇の22年の嬉野対局は、豪雨被害やコロナ禍のため、開催できなかった。今回は、台風7号の影響を考慮し、1日早く13日に現地入りした藤井は「3年越しの嬉野対局をうれしく思います」と声を弾ませた。

長崎県対馬市出身の佐々木にとっては嬉野はいわば“準地元”となる。後がないが「自分の力を信じて力を出し切りたい」と決意を語った。「日本三大美肌の湯」として知られる嬉野温泉。2人が「美しい棋譜」を紡ぐ。【松浦隆司】