東京・明治神宮外苑再開発計画をめぐり、建築や造園、都市計画の専門家有志が11日、東京都庁を訪れ、工事施行を認可した小池百合子都知事に認可の撤回を求め、都の環境影響評価(アセスメント)審議会会長には審議継続を求めた要請書を提出した。
要請には、420人の専門家が賛同。有志のうち3人が、提出後に会見した。
有志代表の糸長浩司・元日大教授は、今年3月に要請書を提出したものの、求めている状況が変わらないことから今回、再度の要請書提出に至ったと説明。この間、計画見直しなどを求める署名が計30万筆近くになり、工事差し止めなどを求めた訴訟が起き、今年3月に亡くなった音楽家坂本龍一さんら著名人も計画に反対の声を上げたことに触れ「市民の思いがあるのに、小池氏は事業者任せで、自身の判断は間違っていないという主張をし、討論の場を開こうとしない」と小池氏の対応に疑問を投げかけた。
環境アセスの国際学会、国際影響評価学会(IAIA)日本支部代表の原科幸彦・千葉商科大学長は、先日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス、本部パリ)が、事業の撤回や計画見直しや、都の環境影響評価審議会での再審議を求めた「ヘリテージ・アラート」を発令したことに触れ「このアラートは簡単に出るものではない。計画の進め方がすべて不透明だ」と、指摘した。新建築家技術者集団会員の若山徹氏は「神宮外苑に超高層ビルが必要なのか。本来は風致地区であり、そこで再開発が行われるのは根本的におかしい」と訴えた。
小池氏には直接面会できず、担当部局に要請書を渡してもらうよう伝えたという。小池氏は8日の定例会見で、イコモスが「ヘリテージ・アラート」で、環境影響評価審議会での再審議を求めたことに対し、適切に手続きを進めていると反論したが、糸長氏は「適正な手続きとは思わないといわざるを得ない」と小池氏の主張に再反論。事業者側が提出した評価書の内容に疑問を呈していた専門家を、審議の場に加えなかったことに触れ「都知事の権限で、専門家を交えた、開かれた対話の場を設置すべき。専門家を交えた会議を開いていないことの責任は大きい」と訴え、原科氏も「(評価書の内容の)科学的な検証をする責務を回避した」と述べた。

