自民党埼玉県議団は10日の会見で、小学生3年生以下の子どもを自宅に残したままの外出を「虐待」とすることなどを定めた「虐待禁止条例」の改正案を、取り下げると表明した。13日の県議会本会議で採決予定だったが、世論の批判の高まりを受けて、断念に追い込まれた形となった。
田村琢実(たくみ)団長は「諸般の事情を考慮し、取り下げさせてほしい。県民、国民の皆さまに混乱を招き申し訳ない」と謝罪。「周囲の声を聞きながら協議を続けてきた。説明すれば理解を得られるのではないかという声もあったが、今、説明しても理解を得られる状況にないと判断した」と述べ、自ら議員団に撤回を提案した。内容や手続きに「瑕疵(かし)はない」とする反面「撤回することが信頼回復の一歩」とも口にした。条例案の再提出については「ゼロベース」と述べるにとどめた。
一方、田村氏は「説明不足」「言葉足らず」という言葉を連発。「(内容について)私どもが考えた方向性ではないところに世論が動いてしまった」と、受け取る側への責任転嫁のような発言もあり、「中身は正しいが、とらえ方や報道が誤解を招いたのか」と記者に指摘され、「すべて私の説明不足」と繰り返した。
6日の条例案の委員会可決直後からSNS上で大炎上し、反対を求める署名サイトには、9万人超が賛同した。埼玉選出の自民党国会議員から異論が相次いだほか、文科政務官の山田太郎参院議員はX(旧ツイッター)に「非現実的で親を追い詰める内容」と投稿するなど「身内」にも突き放された。国会関係者は「解散総選挙があるかもしれないのに、自民党の子育て政策はどうなっているとなりかねない。自民党の国会議員は青ざめたはずだ」と指摘した。【中山知子】

