立憲民主党の野田佳彦元首相は23日夜、BSフジ「プライムニュース」に出演し、内閣支持率の低下に歯止めがかからない事態になっている岸田文雄首相について「こういう数字に一喜一憂しないとおっしゃると思うが、かなり危機感を持っていると思う」と、胸の内を分析した。

その上で、支持率下落の一因として副大臣＆政務官の「辞任ドミノ」を挙げ「適材適所と言いながら外し続けたことで、総理こそ任命権者として適材なのかという根源的な不信が出てきていると思う」「むしろ総理としての適材適所が問われている」と指摘。適材適所の人事を外し続けている岸田首相の「総理の器」にも、国民の疑問の目が向けられているのではないかとの見方を示した。

また「増税と減税を一体で言っているが、税は国家なり。にもかかわらず、何か思いつきで言っているような感があり、その不信感も大きいと思う」と、経済政策への不信も背景にあると述べた。自身の首相時代を振り返り「私も社会保障と税の一体改革など、国民に負担をお願いする立場で苦労したが、減税を言ってこれだけ支持率が下がるのは、説明の仕方もきちんとしていないし、ある種、愛想が尽きた感が出てきていることが支持率低迷につながっていると思う」と述べた。

支持率が上昇する「妙案はない」として「人気取りばかりやって支持率を回復しようとするのはだめ。不人気なことでも国のために押し通すというところを見せれば上がってくる可能性はあると思うが、その可能性はないのではないか」と、悲観的な見方も示した。

「心配なのは『外交の岸田』と、本人が思っているところだ。訪朝などを含めて起死回生、外交で挽回しようとした瞬間に危ないと思う」とも指摘した。

野田氏は22日の衆院予算委員会の質疑で、岸田首相と対決した。首相を含めて自民党の世襲議員の多さを、往年の人気アニメ「ルパン三世」にたとえ「首相は3世で、ジュニア（長男の翔太郎氏）に委ねると4世。ルパンだって3世まで。歌舞伎役者じゃないんだから」と、皮肉まじりに批判して話題になった。