プロ野球の巨人の監督を2期15年にわたって務めた巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄(ながしま・しげお)さんが、3日午前6時39分、肺炎のため、都内の病院で亡くなった。89歳だった。
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「長嶋の逸品」は皆の胃袋を満たし続ける。長嶋茂雄さんが足しげく通った東京都文京区の「後楽園飯店」の看板メニュー「フカヒレの姿煮入り汁そば」(4600円税サ込)は長嶋さんが選手時代に考案し、商品化されて50年以上になる。
後楽園球場時代、店舗や出前で頼んでいた好物が、中華そばとフカヒレの姿煮。当時を伝え聞く稲飯龍典料理長は「麺に乗せたらどうかとなったそうです。当時からフカヒレは高価だったと思いますが、勝負飯だったのでは」と説明する。しょうゆベースで昆布、干し貝柱でだしを取り、具材はフカヒレとチンゲンサイのみ。「昔から味は変えていません。これだけは守っていきます」と継承してきた。
東京ドームでの試合前は、店内に長嶋さんならではの光景も広がる。巨人ファンだけでなく、相手チームのファンも思い出の味に舌鼓を打つという。「チーム関係なく好かれていた事が分かりますね」と多忙な調理場で偉大さを感じるという。この日は午後3時までに30食以上が注文された。「皆さんに食べてもらえるように、フカヒレ業者にできるだけとお願いしました」。ずっとミスターの味を守り続ける。【阿部健吾】

