前チリ大使で関西学院大教授の渋谷和久氏(65)が12日放送のABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜午前9時30分=関西ローカル)に出演。トランプ米大統領が、書簡で関税率を通知してきたことについて、早期の決着を目指すべきとの見方を示した。
トランプ大統領は日本など14カ国に対して関税率を通知。「わずか25%の関税を課します」「8月1日から関税の支払いが始まる」などとしている。
安倍政権時に内閣官房の事務方トップとして、第1次トランプ政権とTPPなどの交渉にあたった渋谷氏は、今回の書簡について「今回かなり手抜きで、コピペですね、ほとんどね。他の国と全然文面が変わってないので」と指摘。
「たぶん、日本との交渉をまさになめてたんじゃないかと思うんですね、アメリカは。英語で、交渉の世界で“ローハンギングフルーツ”って言うんですけども、木の低い所に果物がなっていて、すぐパッと取れる、と。それだけ日本は、交渉するとすぐ終わると思っていたら、意外に頑張るんで、ここで揺さぶりをかけてやろうと。もう8月1日が期限だと」
こう推測した上で、続けた。
「その前にもいろいろおっしゃってました。ひょっとしたら(関税率を)30とか35(%)にするかもしれないと。これはもう自動車はあきらめろと。相互関税の交渉で、おそらく日本はアメリカからいろいろ買いますと提案をしているので、それだけよこせと。自動車はあきらめろと、それで、もう8月1日までに決着しろと、そういうメッセージだと思う」と語った。
また、「日本はパッケージ合意といって、自動車の関税も下げてもらいたい、相互関税も下げてもらいたいということなんですけれども。アメリカはおそらく相互関税の方は、ある程度ディールができれば下げると思うんですが、自動車の関税は、たぶん日本と韓国に対しては相当厳しい。両方とも日本にとってすごくベストな内容で合意できるっていう可能性は極めて低いので」とも指摘。
「逆にずるずると合意しないでいると、トランプ大統領が怒ってどんどん日本に対して厳しい税率をかけるばかりか、お隣の韓国が日本よりも先に合意するとか…。EUも合意が近いといわれていますけれども、そこで自動車について、かなり厳しい内容で合意されちゃうと、日本はそれよりも厳しい条件じゃないと受け入れられない…」と、交渉を粘った上に、より不利になる可能性にも言及。
「日本にとって、ほどほどの内容で、ある程度実が取れるところで、周りの国よりも先に、トランプさんがもうこれでいい、というタイミングでしっかりと合意をして、この問題はとりあえず決着をさせるっていうことが大事」と強調。
その上で、「そのためには時間もないことですし、石破総理からトランプ大統領に直接話をするか、ベッセント財務長官が大阪に来られるという事ですので、ベッセント財務長官に石破総理のメッセージを託すのもありかと思いますが。いずれにしても日本は8月1日までに決着させる気があるというメッセージを早く伝えることが大事だと思います」と述べていた。

