JR五能線を旅してきた。秋田・東能代駅から青森・川部駅までの日本海沿岸147・2キロを結ぶ。来年で全通90年を迎える。

そこを含めて走る秋田駅始発の観光列車「リゾートしらかみ」に乗車。途中駅での立ち寄りもしながら、秋田・青森ウエストコーストを弘前市へと向かった。

1997年(平9)、秋田新幹線「こまち」の開業に合わせて投入されたリゾートしらかみは、乗り鉄以外の利用者も多い。93年に白神山地が世界自然遺産に登録された。トレッキング・ブームも加わり、自然に触れようと首都圏からやってくる人たちが増えた。05年にはご当地演歌の女王、水森かおりが「五能線」をリリース。最近ではバスケットボール漫画「SLAM DUNK(スラムダンク)」の影響で、沿線の能代駅が脚光を浴びてインバウンド(訪日客)も増えるなど、さまざまな要素で追い風が続いている。

JR東日本秋田支社では、「地域共創」という形でこの沿線と列車を重視。JR東日本自体、コロナ禍の後にリゾートワーケーションを打ち出すなど、会社として鉄道の安全運行という枠を超えた地域との強固な協力態勢を敷いている。

「ローカル線の利用者減、人口の減少や過疎化など、沿線では多くの問題を抱えている。観光での誘客も必要となる。地方とタッグを組んでお互いに問題を解決する方法を探りながら、盛り上げていく方法も探りたい」(JR東日本秋田支社地域共創部・國島正晴ユニットリーダー)。鉄道の社会的な意義も含め、多くの用途での利用者を期待している。