JR五能線を旅してきた。秋田・東能代駅から青森・川部駅までの日本海沿岸147・2キロを結ぶ。来年で全通90年を迎える。そこを含めて走る秋田駅始発の観光列車「リゾートしらかみ」に乗車。津軽屈指の観光スポット、作家太宰治(本名・津島修治)の生家である、太宰治記念館「斜陽館」を訪れた。
五所川原市金木町でレトロな建物がひときわ目を引く。今も多くのファンを引きつける。太宰の父である津島源右衛門が建てた入り母屋造りで、1907年(明40)に落成した約680坪(約2250平方メートル)の豪邸だ。米蔵に至るまでヒバを使い、1階11室、2階8室、庭園まである。当時400円、今の金額にして約2500万円とも言われる仏壇も現存する。使われているガラスの4分の3は当時のままだ。
津島は地元の大地主で小作人300人を使い、6000俵もの米の収穫があった。また、実業家として地方銀行や発電所を経営し、国会議員も務めたという。太宰は津島家の六男。
戦後、GHQによる農地改革のため津島家が手放し、50年から旅館「斜陽館」として観光名所となった。全国からファンが訪れたが、旅館を廃業。96年に旧金木町が買い取った。間取りを復元し、04年には国指定重要文化財に指定された。

