埼玉県の大野元裕知事(61)が5日、Xを更新。前日4日に、外務省を訪問して松本尚外務大臣政務官に、トルコ共和国との相互査証(ビザ)免除協定について「慎重な検討を行い、必要に応じ一時停止措置を講じること等を要望しました」と報告し「国には責任ある対応をお願いしたいと思います」と強く要望した。
同県川口市や蕨市にはトルコ国籍のクルド人が在住し、共生が課題として連日、報道各社で報じられている。大野知事自身も、9日にXで、難民認定申請を6回繰り返した末、20年以上不法滞在を続けたとされる同県川口市の34歳のクルド人男性がトルコに強制送還されたとの一部報道記事を引用。「いかなる国籍・民族であるかにかかわらず、法治国家たる我が国の法やルールに反する場合、然るべき措置を受けなければなりません。国においては、引き続き適正な対処を行われることを望みます」とつづっていた。
元外交官で、在ヨルダン大使館1等書記官、在シリア大使館1等書記官も務めた経験を持つ大野知事は「本県では多文化共生の施策を着実に進めていますが、日本人と外国人が共に安心して暮らすためには、適切な出入国在留管理により、外国人が適法に滞在することが前提です」と主張。「法務省が公表したデータによると、難民認定申請の複数回申請者、難民不認定者及び仮放免者の国籍は、いずれも査証免除国であるトルコ共和国が最も多い状況にあります。幾度も難民申請を繰り返す状態が数年にもわたることとなり、その間のしわ寄せは自治体に及びます」と外務省のデータを元に、難民認定申請を繰り返した末に不法滞在を続けるケースが、トルコ国籍者に多いと指摘した。
そして「査証免除は、本来、短期間滞在の観光や家族の訪問などの目的で来日する人々の便宜を図り、人的交流を円滑に図るものとして国際交流に重要な役割を果たしているものです」と査証免除の基準を示した上で「この制度を利用した不法滞在や不適切な入国者への懸念が国民の間で広がることは、日本国内での不安感を助長するだけでなく、相手国への不信感を招き、結果として友好関係にも悪影響を及ぼす可能性があります」と指摘。「そこで、私の提案により、6月に関東地方知事会として相互査証免除協定の見直しを国に要望していました」と、今回の外務省への訪問、要望は関東地方知事会の総意であることを強調した。
大野知事は「『出口』で国の迅速な対応がなされないならば、相互査証免除措置を一時停止して他の国々と同様の措置とし、『入口』における査証経伺の段階で国として審査すべきと考えます」と持論を展開。7月の参院選でも、インバウンド(訪日客)を含めた外国人との共生のあり方が選挙の1つのテーマとなっていたが「このたび国が『外国人との秩序ある共生社会推進室』を立ち上げ、石破首相が『現下の情勢に十分に対応できていない制度や施策の見直しは、政府として取り組むべき重要な課題だ』との認識を示したと聞いています」と政府の現状を説明。その上で「この機会を捉え、昨日、改めて国に要望させていただいたものです」と、しかるべきタイミングに外務省を訪問したことを示した。

