「総裁選辞退」の言葉が26日、インターネットのトレンドワード入りした。今週発売の週刊文春が、自民党総裁選に立候補している小泉進次郎農相の陣営がニコニコ動画に小泉氏を称賛するコメントを書いて欲しいとコメント例を示して陣営関係者に要望していたと報じ、25日に小泉氏陣営が事実関係を概ね認めていた。
報道では、小泉氏を称賛する例文として「総裁まちがいなし」「泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね」のほか、「ビジネスエセ保守に負けるな」と、保守色の強い高市早苗前経済安保相を攻撃するようなものもあったという。
ステマとは、ステルスマーケティングの略。広告なのに、広告であることを隠した広告のこと。国は、2023年10月1日から、ステルスマーケティング(ステマ)は景品表示法違反とするなど、規制を強化している。消費者が、企業による宣伝であれば、ある程度の誇張がある可能性も踏まえて商品やサービスを選択できるが、企業による宣伝と分からず、第三者が評価している感想と誤って認識すると、その宣伝をそのまま受け取ってしまい、合理的な商品、サービスの選択を阻害する恐れが出てくるためだ。
景品表示法は、企業がインフルエンサーなどの第三者に販売促進のための評価を依頼、支持することも「広告」に含まれるとしており、第三者に広告であることを隠して高評価を流布する広告で販売を促進することは規制の対象となっている。
総裁選の候補者は商品ではないが、候補者の称賛を候補者陣営の関係者による発信と分からない形で、称賛し、ネット上で評価を上げるための口コミとするのは、口コミサイトのレビューやインフルエンサーなど第三者を使ったステマと構図が似ている。
自民党総裁選には「総裁公選規程」という党内規程がある。自民党総裁を選出するための規程で、総裁選管の委員の選出法、選挙に投票できる選挙人の要件、立候補できる候補者の要件などを定めている。この規程の中に「ステルスマーケティング」の文言は含まれておらず、“名指し”での規制はしていない。
一方で、第4章「総裁の候補者」の中の選挙運動等についての規程で「第12条」には、「総裁選挙における選挙運動は、党本部管理委員会の定めるところによりこれを行うものとし、それ以外の選挙運動は、何人もこれを行ってはならない」としており、同条2では「何人も、選挙の清潔、明朗および公正を害する行為を行ってはならない」、同条3では「選挙期間内において党の名誉を著しく損ねる行為が認められる場合は、党本部管理委員会は党紀委員会の審議の対象として要請することができる」と定めている。
総裁選で、陣営が陣営関係者と明かさずに候補者の価値を高めようとする“口コミ”のような「ステマ」行為が「総裁公選規程」第12条の「選挙の清潔、明朗および公正を害する行為」や「党の名誉を著しく損ねる行為」にあたるのか、どうかが焦点になる可能性がある。

