れいわ新選組の奥田芙美代共同代表は26日、就任後初めて、参院本会議で高市早苗首相の施政方針演説に対する代表質問に立った。約10分間の持ち時間で、高市首相に9つの質問を行ったが、その際の発言をめぐり、終了後に関口昌一議長が、「速記録を調査の上、発言中に不穏当な言辞がありましたら議長において適切に措置したい」と述べる場面があり、波乱の「デビュー」となった。
奥田氏は、「私は、昨年の参院選で初めて国会議員になった、ピアノの先生をしていた3人の子どもの母親です。こういう普通の母親が国会議員にならないと、市民感覚からずれた政治屋たちに丸投げしていては、『子どもを守る』と言って子どもを殺す暴力政治が、そう遠くない将来に来るかもしれないと危機感しかなく、議員になりました」と自己紹介。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連団体によるパーティー券購入報道の事実関係や、自民党派閥裏金事件に関して不記載議員の要職起用や衆院選圧勝で「みそぎ」がすんだのか、れいわなど一部野党に参加呼びかけがなかった消費税減税をめぐる超党派の「国民会議」のあり方などについて質問。「今回の衆院選大勝で、国民の信任を得たとして何をやっても許されると思っていらっしゃらないでしょうね」と、クギを刺す場面もあった。
さらに、昨年12月の参院予算委員会で自身が「政治家は、この国に暮らすすべての子どもたちの命を守るために存在していますよね? 子どもたちを絶対、戦争に行かせない、絶対に戦争に巻き込ませない。今ここで約束してください」と求めた際、高市首相が「大切な子どもさんの命を守るために私は戦います」と答えたことに言及。「戦う? だれとだれが? 総理には『子どもや平和を守り抜く』とおっしゃっていただきたかった。子どもを守るのは、人を殺す武器ではなく、子どものおなかがいっぱいになるお米です。武器よりお米です」と訴えた。
また、「総理は『戦う』とおっしゃったが、複数の自民党議員が『国民が血を流す覚悟』と言っている。本当に戦争に巻き込まれた時、最前線に行くのはだれなんですか? 高市総理が率いる自民党なんですか? 最前線に行けば血まみれになりますよ」「戦争に巻き込まれた時、だれに血を流させる覚悟なのか、お答えください。まさか、若い自衛官や未来世代の子どもたちを最前線に送り込もうなんて考えていらっしゃいませんよね?」などと、踏み込んで指摘した。
これに対し、高市首相は、旧統一教会側によるパーティー券購入報道に関して「この件を報道した週刊誌側に明確に否定している。資料を確認したが関連団体がパーティー券を購入した記録は確認できなかった」と、あらためて否定。裏金問題については「みそぎがすんだという認識ではなく、このような問題を2度と繰り返さないことが重要」と答え、書面に目を落としながら淡々と答弁した。
奥田氏が力を込めた「戦う」発言の意味については、「国民のみなさまの命と平和な暮らしを守ることは自衛隊員の使命であり、ことに臨んでは危険を顧みず身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える、という宣誓を行っています。つまり、国民のみなさまのリスクを下げるため、自衛隊員が自らリスクを負います。あらゆる手段でこれらのリスクの低減を図っていくのが政治の責任であり、それこそが私の戦いです」と強調。その上で、「これまで進めてきた防衛力の抜本的強化は、我が国の抑止力を高め、相手に攻撃を思いとどまらせ、事態発生そのものの可能性を低下させることにつながる。大切な子どもさん、国民のみなさまの命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛力の抜本的強化をこれまで以上のスピード感で進めてまいります」と主張。自民党席からは、「よし!」の声が飛んだ。
高市首相の答弁後、関口議長は、対象の発言には言及しなかったが、「奥田君の発言につきましては、速記録を調査の上、発言中に不穏当な言辞がありますれば、議長において適切に措置いたしたいと存じます」と述べた。
本会議終了後、奥田氏は取材に対し、自身が防衛費よりも農水関連予算を大幅に引き上げるよう求めたことに関して、「(首相から)返答もありませんでした。答える気なんかないなと。子どもを守る気はないんだなという受け止めを私は、しました」と主張。「母親は、子どもを戦争に行かせるために産んでいるのではない。自国のためだけではなく、他国との平和もかんがみて徹底した平和外交を尽くすべきだということを、これからも追及していこうと思っています」と、語った。

