将棋の第11期叡王戦本戦トーナメント準決勝、藤井聡太六冠(竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将=23)-永瀬拓矢九段(33)戦が5日、大阪府高槻市の関西将棋会館で行われ、先手の永瀬が藤井を下し決勝へ進出した。伊藤匠叡王(王座=23)への挑戦権をかけ、永瀬は12日に東京将棋会館で斎藤慎太郎八段(32)と対戦する。藤井は叡王挑戦の可能性が消え、26年の全8冠復帰は消滅した。

終局後、叡王戦は2年連続ベスト4での敗退に藤井は「中盤以降、苦しい展開になり、実力不足だった」と悔しそうに話した。

戦型は角換わり。藤井は3三金型を採用し、早繰り銀を目指して主導権を取りにいく構えを見せた。「ちょっと難しい展開で、うまくバランスが取れるかどうかだったが、想定していたよりも苦しい展開になった」と振り返った。

終盤、藤井は角打ちから銀交換で戦いを起こしたが形勢は永瀬に傾いた。藤井は入玉を視野に入れて粘ったが、永瀬の好手に阻まれ投了した。

これで両者の対戦成績は藤井の33勝15敗となったが、対永瀬戦は直近5局では藤井の1勝4敗。対永瀬戦では2度目の3連敗となった。現在行われている王将戦7番勝負では挑戦者の永瀬に1勝3敗とかど番に追い込まれている。中2日で第5局が8、9日に栃木で始まる。藤井は棋王戦5番勝負でも挑戦者の増田康宏八段に1勝2敗。初の「ダブルかど番」の大ピンチになっている。

失冠のピンチとなる王将戦第5局に向け「目の前の一局に集中したい」と気持ちを切り替えた。【松浦隆司】