不二製油(本社=大阪府泉佐野市)は、新食感の柔らかいチョコレート「ソワイユショコラ」を今年から業務用に発売し始めると発表した。
本格的なカカオ感と、溶解や、チョコの温度を調節して安定した結晶(V型)にココアバターをする「テンパリング」の工程を省いて使える扱いやすさを両立させた。この製品には、5年かけて開発した油脂結晶の調整技術が生かされている。冷蔵庫から取り出してすぐに成型、ホイップなどが行える。幅広い製造現場で活用できる。
チョコを巡っては、原材料となるカカオの原産地での不作や病害などを背景に、価格は一時、従来比約5倍まで高騰した。カカオを取り巻く環境が大きく変化する一方で、チョコの需要は依然として高い。カカオの含有量を比較的抑えながらも、本格的なチョコの味わいを楽しめる「チョコ菓子」の開発は、これまで以上に活発化している。
製造現場の問題もある。近年、人手不足が深刻化。溶解や温度管理を伴うチョコの取り扱いが、大きな作業負荷にもなっている。こうした背景から、扱いやすく、用途や目的に応じて使い分けることができ、作業負担の軽減につながるようなチョコレート製品のニーズが高まっている。
今年のバレンタインチョコ商戦で、不二製油は「ノンカカオ素材の代替チョコ」を新たに登場させた。こちらはキャロブ(イナゴマメ)、エンドウ豆、植物油脂などを原料にしたミルクチョコの新素材として今年誕生した「アノザM」を使用した。25年ほど前から、「カカオ危機」を想定していたという。特に2年ほど前から本腰を入れて取り組み始め、昨年の「大阪・関西万博」会場でのサンプリング配布もした。
同社は「作り手側の負担軽減」「食べる側の新たな価値の提供」を含め、社会貢献を目指すとしている。

