「人権外交を超党派で考える議員連盟」共同会長を務める自民党の中谷元・前防衛相は4日、東京都内の日本外国特派員協会で会見し、戦争犯罪などを追及する国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長(70)が米トランプ政権から制裁対象とされたことをめぐり、高市早苗首相に対し、制裁への抗議と撤回要請を行うべきとの認識を示した。
「米国にはICCの法の支配の必要性を説明し、覚悟をもってICCと赤根所長を守らなければならない。大事な時に大事なこと、言うべきことを言わずに忖度(そんたく)ばかりしていると、アメリカからも評価されなくなる」とし、「外交は言うべきことを言ってこそ信頼される」とも述べ、制裁発表直後、赤根氏への制裁について「大変残念に思っております」などと述べるにとどめた高市首相に、トランプ政権に「もの言う」覚悟を迫った。
また、米政権の対応を念頭に、「法の支配への攻撃に沈黙する同盟は、いずれその基盤である価値を失う」と強い調子で指摘。「日本政府が法の支配を掲げる国としての責務を果たすことを、強く求める」とも述べた。
同議連は先月24日の総会で、トランプ政権の対応への非難声明を行い、日本政府の反応の弱さも指摘している。中谷氏は「日本国民であり、日本側が赤根氏をICC所長に送り出した経緯を踏まえ、「同盟国(米国)によって『テロリストと同じリスト』に掲載されるに至った。法の支配を掲げてきた日本として看過できず、政府には法に基づく職務を遂行した自国民を守る責務がある」と主張。「日本が送り出した裁判官が覚悟をもって職務に当たっている時に、政府が取る立場は明らかだ。日米同盟の堅持と法の支配の擁護は、二者択一ではない」とも訴えた。
その上で、<1>総理による「制裁抗議」「撤回要請」「ICCと赤根所長の継続支援」の明言<2>制裁が本格発動となる9月18日までに制裁の影響を最少化し、「米大統領令による制裁に従う法的義務はない」として、銀行など赤根所長との取引を継続する日本企業に対する支援が不可欠と求めた。
中谷氏は「高市総理は、トランプ氏をしっかり説得し、理解をしてもらわなければならない」と述べ、ICCに125カ国が加盟していることを踏まえ、加盟国との連携の必要性にも触れた。
議連顧問を務める元衆院議員で弁護士の菅野志桜里氏が先月末にICCを訪れ赤根氏と面会したとし、「組織全体の士気が高く、制裁に萎縮せずしっかり業務を進めている」と報告を受けたとも明かした。議連として、今月15日に木原稔官房長官に申し入れを行うとも述べた。

