やはりスノーフェアリー(牝4、英国)は強かった。国内外のG1馬7頭が集結した最強牝馬決定戦は、昨年の覇者が、後方追走から直線で豪快に内を突き、2着アヴェンチュラを首差かわして快勝。外国馬初のJRA・G1連覇を飾った。騎乗したライアン・ムーア(28、英国)は、スノーフェアリーとのコンビでは5戦全勝。その豪腕で愛馬を勝利に導いた。
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ゴール前で、日本が誇る牝馬たちがせめぎ合っていた。抜け出そうとするホエールキャプチャにアパパネが並びかけ、その外からアヴェンチュラが伸びる。
次の瞬間だった。黄色と赤の勝負服が、ホエールキャプチャとアパパネの間を一瞬にすり抜ける。「並ぶ間もなかった」とホエールの池添騎手。アヴェンチュラの岩田騎手は「エエッという感じ」。日本馬たちの夢を打ち砕いたのは、やはりワールドクラスの名牝、スノーフェアリーだった。
「いつものようなビシッという脚を使ってくれた。やはり彼女はすごかった」。全身をムチのようにしならせる豪快な追いっぷりで、愛馬をエリザベス女王杯V2に導いたライアン・ムーアは端正な顔をほころばせた。
2着のメイショウベルーガに4馬身差をつけた昨年の勝ちっぷりから、今年も当然のように1番人気に推されていた。「だが不安はいっぱいあった」とエドワード・ダンロップ師は言う。「4歳になって去年より2キロ重量は重くなっていたし、大外枠が当たってしまった。日本馬も去年より強かった。少しはあきらめた気分もあったんだ」。それに来日後、虫刺されのような発疹が出るアクシデントもあった。その影響か、昨年に比べて調教量は少なく「決してベストのフォームではなかった」とムーアも言う。
だが、陣営の思惑以上にスノーフェアリーのポテンシャルは高かった。
シンメイフジが豪快な逃げを打ち、前半1000メートルのラップが57秒5という超ハイペース。今年、英国とドイツのオークスを逃げ切ったダンシングレインが後方に置かれたほどだ。それでいて3コーナーの坂を下る時も、シンメイフジと後方集団との差はそれほど詰まらず、後続馬は早めに仕掛けざるをえなかった。
「かなりタフなレースだった」(ムーア)。極限のスタミナを求められる展開だったが、それをスノーフェアリーは制した。「感動的だった。彼女を、スタッフを誇りに思う。そしてムーアに感謝する」とダンロップ師は胸を張った。
今後、ジャパンCへ向かうかは未定だが、参戦してくれば目玉の1つとなるのは間違いない。日本が誇る牡馬たちと、そしてブエナビスタとの対戦を待ちたい。【岡本光男】
◆スノーフェアリー▽父 インティカーブ▽母 ウッドランドドリーム(チャーンウッドフォレスト)▽牝4▽馬主 アナモイン社▽調教師 E・ダンロップ(英国)▽生産地 愛国▽戦績 19戦7勝▽総収得賞金 4億6734万8000円(うちJRA1億8781万2000円)▽主な勝ち鞍 10年英オークス、愛オークス、エリザベス女王杯、香港カップ(いずれもG1)▽馬名の由来 雪の妖精
(2011年11月14日付 日刊スポーツ紙面より)※表記は当時

