土つかずのデビュー3連勝で阪神JFを優勝したアスコリピチェーノ(牝2、黒岩)は11日、帰厩した美浦トレセンの馬房で激戦翌日の朝を迎えた。レース直前までは栗東トレセンに滞在しての調整。久々の“自宅”で元気な姿を見せた。鈴木助手は「午前3時半くらいに厩舎に帰ってきました。(競馬を)走って、輸送もしたので、馬は少し疲れている感じではありますが、カイバは食べてくれています。そこがすごいところですね」と話した。

黒岩厩舎にとっては初のG1タイトル。21年の阪神JF2着ラブリイユアアイズ、今年のエリザベス女王杯でのルージュエヴァイユ2着など、わずかに手が届かなかった勲章を開業12年目でつかんだ。中団待機から直線先頭に抜け出す勝利は、関東馬による上位独占の決着でもあった。

「直線では外からコラソンビート、内からステレンボッシュが立て続けに来たので、差されるんじゃないかとドキドキしましたが、あの状況でかわさせなかったし、強かったです。道中でゴチャつくようなところもありましたが、結構気が強くてひるまないところがありますし、その性格の強さも出たのかなと思います。北村宏騎手には調教のときからいろいろ助言もいただいて、いい状態で競馬を迎えることができましたし、理想的な競馬もしていただけました」

手に汗握る熱戦。鈴木助手は発走直前まで付き添った厩舎スタッフが待機するバスでレースを見守っていた。かつての担当馬パッシングスルーで19年紫苑Sを制した経験はあるが、G1の喜びは格別だった。

来年の桜花賞と同じ阪神マイルでG1を制した。祖母リッスンは英2歳マイルG1、フィリーズマイル勝ち馬。近親にも活躍馬が多く、日本でも叔父サトノルークスが菊花賞2着、叔母タッチングスピーチがローズSを勝っている良血だ。血統面からも無敗の女王と描く夢は大きい。鈴木助手は「アスコリピチェーノの魅力は、まだ奥が見えないところ。成長する余地を残していると思いますし、春までにまた成長してもらって大舞台に向かっていけたらと思います」とさらなる飛躍を願った。