遅れてきた大器パラレルヴィジョン(牡5、国枝)がゴール前で差し切り、重賞2回目の挑戦で初タイトルを手にした。勝利に導いた戸崎圭太騎手(43)は昨年のインダストリアに続く連覇を達成した。勝ち時計は1分32秒9。3歳時に菊花賞を目指した同馬は、5歳になって芝のマイルで重賞ウイナーの仲間入り。今後は未定も、古馬マイル路線の最前線に躍り出た。
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春の中山の直線でただ1頭、パラレルヴィジョンの脚取りが違った。向正面から大逃げを打ったエエヤンが粘り込みを図っている。その差は5馬身以上。2番手からずっと追いかけていた。逃走劇で幕が下りそうな雰囲気を変える。エンジンが最高潮まで達すると、差をみるみると縮めて、ゴール前でかわし切った。堂々とした走りぶりに戸崎騎手は「反応が良かった。乗りやすい。精神的な落ち着きが出て、レースの成績につながっているのかなと思います」と評価を上げた。
遅れてきた大器だった。22年に4月デビューして未勝利、1勝クラスを連勝。秋は菊花賞トライアルの神戸新聞杯へ参戦した。しかし1番人気に推されて7着敗退と、本番には進めなかった。活躍の場を求めて芝の中距離を主戦場に、昨秋はダートも2戦経験してマイルでは勝ち星を挙げていた。今年はニューイヤーSから始動してダービー卿CTと連勝。マイル適性の高さは確たるものになった。国枝師は「理想的な競馬。重賞を取れて良かった」と笑みを浮かべた。今後のローテに明言はなかったが、春の古馬マイルといえば安田記念が頂点にある。遅咲きの桜のように、春のマイル戦線をパラレルヴィジョンが彩りそうだ。【舟元祐二】
◆パラレルヴィジョン▽父 キズナ▽母 アールブリュット(マクフィ)▽牡5▽馬主 (有)キャロットファーム▽調教師 国枝栄(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 13戦6勝▽総獲得賞金 1億3588万8000円▽馬名の由来 4カ国で開催された生の芸術を集めた展覧会。母名より連想

