G1取りへいよいよ機は熟した-。単勝5番人気のノースブリッジ(牡6、奥村武)が、2番手から力強く抜け出し、重賞3勝目を手にした。勝ちタイムは1分59秒6。

岩田康誠騎手(50)はJRA移籍19年目にして札幌記念初勝利。当週の札幌では付きっきりで同馬の調教にまたがり、厩舎、馬と関係性を深めてきたことが北の大地の大舞台で見事に実を結んだ。奥村武調教師(48)とのタッグでは函館記念のホウオウビスケッツに続き、北海道の記念重賞をジャックした。

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スタンドの大歓声に後押しされるかのように、先頭に立ったノースブリッジの勢いがグングン増す。左ステッキに応えてもうひと伸び。持ち前の先行力と粘り強さを生かす理想の形に持ち込み、勝利を確信した岩田康騎手は派手なガッツポーズで喜びを表現した。

「今までやってきたいろんなことが勝ちにつながったと思う。カタール、香港の経験から馬自身も充実しているし、攻め馬にも乗せてもらって、初めて完璧に近いレースができたと思う」。

当週は追い切り以外の日もジョッキーがまたがり、密にコンタクトを重ねてきた。国内初の滞在競馬で、環境の変化からか、火曜はテンションが高かった。それでも日に日に落ち着きを取り戻し、木曜の追い切りではリラックスした走りでメンタルの安定ぶりがうかがえた。「1コーナー過ぎくらいから力まずに行けたし、だからこそ3、4コーナーから素晴らしい瞬発力を見せられた」。平常心でレースを迎えリズムを崩さず運べたことが、鞍上をうならせた「完璧」なレースにつながった。

4月香港のクイーンエリザベス2世Cは3着。打倒プログノーシスを掲げ、強い気持ちでここに挑んだ奥村武師の笑顔も弾けた。「強かったですね。(ホウオウビスケッツが勝った)函館記念と同じようなレースでうまく導いてくれた。(海外遠征での成長を)実感できるわけではないけど、輸送や現地調整で携わったスタッフの成長は生きたのかな。(馬の)成長はまだ止まってない。すごい馬だよ」と賛辞を惜しまなかった。

好メンバーそろう“スーパーG2”を制しいよいよG1制覇が目の前に見えてきた。秋の最大目標は12月に行われる香港カップ(G1、芝2000メートル、12月8日=シャティン)。その前にレースを挟むかどうかは検討される。

春のカタール、香港遠征は持ちレーティングが低いため、希望する競走に出走できるかどうかという不安もあったが、今回は海外のG1で結果を出してきたプログノーシス、シャフリヤール相手に完勝。立場は変わった。「この強さを見せられたらG1を取らせないといけない責任がある」と気を引き締める。海を渡る今年2月まで連続在厩3年5カ月の慣れ親しんだ美浦トレセンに戻り、秋の大仕事に向けてしばし英気を養う。【井上力心】

◆ノースブリッジ ▽父 モーリス▽母 アメージングムーン(アドマイヤムーン)▽牡6▽馬主 井山登▽調教師 奥村武(美浦)▽生産者 村田牧場(北海道新冠町)▽戦績 18戦7勝(うち海外2戦0勝)▽総獲得賞金 3億2425万8400円(同7950万2400円)▽主な勝ち鞍 22年エプソムC(G3)23年AJCC(G2)▽馬名の由来 北+橋。人名より。