河内の夢、鼻差届かず-。定年引退のため厩舎最後のレースとなった河内洋調教師(70)のウォーターガーベラは、2着惜敗に終わった。
弟弟子の武豊騎手(55)が、内ラチから意地の強襲。あと1歩で勝利を逃したものの、リニューアルしたばかりの阪神競馬場を兄弟弟子コンビで沸かせた。勝った9番人気クリノメイ(須貝)はうれしい重賞初制覇。3着ビップデイジー(松下)までが桜花賞(G1、芝1600メートル、4月13日=阪神)の優先出走権を得た。
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豊の意地で、河内の夢をかなえるまであと1歩だった。兄弟弟子タッグで臨んだ河内厩舎のラストレース。ウォーターガーベラの手綱を託された弟弟子の武豊騎手は、中団追走から直線は最内を突いた。狭い馬群の隙間を縫って差を詰めたが、鼻差届かずの2着。「惜しかった。思い切って乗りました。最後もよく伸びているけど、あと1歩だったね」と悔しがった。
名実況でも有名な、2人が激戦を繰り広げた00年ダービーも鼻差だった。直前の小倉11Rを勝利していた河内師へ「先に小倉で勝っていたのが余分でした(笑い)。でも、いい競馬ができた」と武豊騎手が笑えば、小倉から見届けた師も「50点やね。うまかったら勝っとった。しばらく会わんから、言ってもいいやろ(笑い)」と愛ある“最後のげき”で騎乗ぶりを評した。
師はラストウイークで土日1勝ずつを挙げた。JRA通算は385勝、重賞7勝。騎手デビューから51年にわたる競馬人生を振り返り「まだピンときていないけど、明日、あさってになって仕事がないと、終わったと思うのかな。楽しかったよ。馬が頑張ってくれたし、無事に帰ってくることが一番。とりあえずホッとしました」と胸をなで下ろした。【奥田隼人】

