「E-Bikeチャレンジ日本縦断3500キロ」のルートを決めるとき、当初はシンプルに佐多岬(南端)と宗谷岬(北端)を最短距離で結ぶルートを考えていた。しかし、それでは何日間で何キロ走った!で終わってしまいそうな気がした。僕の職業は早く走るロードレーサーではなく“旅行家”。たくさんの人たちに旅の魅力や価値、喜びを伝えること、旅に出るきっかけをつくることが僕の使命。そこで全国を走り回っている旅行家だから知っている、全国各地にある素晴らしい道をこの日本縦断を通して伝えようと考えた。絶景の道、自然の中を走る道、日本一の道、特別な価値を持つ道など、多種様々な道と一般道を繋いで日本縦断をするのだ。チャレンジに挑みながら、同時に旅行家として日本の道を紹介できる、理想的な日本縦断であった。

正直に話すと、このルート作りにとても苦労した。なぜならこの18の道(ステージ)以外にも、走りたい(紹介したい)素晴らしい道が、全国にたくさんあるからだ。しかしあまり詰め込み過ぎると複雑なルートになり、日本縦断のイメージから離れてしまう。総走行距離、位置関係、多様性などを考慮、試行錯誤した結果、生まれたのが今回のルートなので。

それでは、僕が選んだ18ステージを簡単にご紹介しよう。


01

『佐多岬ロードパーク』鹿児島県

鹿児島県南大隅町大泊から九州本土最南端の佐多岬へ続く約8.2キロの道。かつては自動車専用の有料道路で自転車や歩行者の通行はできなかったが2007年に無料化、自転車も通行できるようになった。道の周りには亜熱帯植物が生い茂り、ジャングルのよう。ハイビスカス、ブーゲンビリアなど、超濃厚な南国気分を味わえる道はここだけ。

佐多岬ロードパークの途中にある北緯31度線の看板。カイロ、ニューデリーと同じ緯度
佐多岬ロードパークの途中にある北緯31度線の看板。カイロ、ニューデリーと同じ緯度

02

『桜島溶岩ロード』鹿児島県

鹿児島の象徴でもある桜島。噴煙を上げる桜島を一周する道が『桜島溶岩ロード』と呼ばれている。とにかく海と桜島の展望が素晴らしく、各展望台からは迫力ある溶岩を見ることができる。また烏島展望台まで約3キロの遊歩道は自転車の通行が可能、ぜひ走ってみたいと思っている。


03

『阿蘇パノラマライン』熊本県

雄大な阿蘇カルデラ、高岳、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳で構成される阿蘇五岳など。阿蘇周辺はまさに絶景ロードの宝庫。その中心にあるのが観光山岳道路、北の坊中線・西の下野線・南の吉田線の3ルートで構成される『阿蘇パノラマライン』は感動の連続。絶対に外せない道なのである。ルートにある草千里ヶ浜はライダーの聖地としても知られている。

大草原と池が印象的な草千里ケ浜。大自然が作り上げた景色は美しい
大草原と池が印象的な草千里ケ浜。大自然が作り上げた景色は美しい

04

『やまなみハイウエイ』熊本県&大分県

湯布院と阿蘇を結ぶ全長約50キロの人気ツーリングルート。森林地帯、ワインディング、直線道路、高原地帯、峠道など、道としての魅力が満載。特に牧ノ戸峠へ向かう道の景色、くじゅう連山の展望、瀬の本高原へのダウンヒルは素晴らしい!の一言。僕が初めて走ったのは40年前だが、その時の感動はいまも忘れられない。


05

『瀬戸内しまなみ海道』広島県&愛媛県

広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約60km、瀬戸内海に浮かぶ島々を7つの橋でつなぐ海の道。日本で初めて海峡を横断できる「サイクリングロード」として知られる。各橋の上から眺める絶景はもちろん、のどかな島風景も楽しめる。また古くから製塩業が盛んな伯方島、自転車神社として知られる「大山神社」がある因島など、個性豊かな島めぐりも楽しめる。

美しい瀬戸内海の島々をつなぐ「しまなみ海道」はサイクリストの聖地となっている
美しい瀬戸内海の島々をつなぐ「しまなみ海道」はサイクリストの聖地となっている

06

『四国カルスト』愛媛県&高知県

日本3大カルスト台地のひとつ。青い空の下に広がる大草原、ヒツジの群れのように見える白い石灰岩、すり鉢型の窪地ドリーネなど、360度のパノラマ景色が楽しめる。カルストを通る県道383号は別名「天空の道」と呼ばれるほど、日本屈指の絶景ロードなのだ。

標高1000m~1500mの高地に壮大な景色が広がる「四国カルスト」
標高1000m~1500mの高地に壮大な景色が広がる「四国カルスト」

チャレンジへ向けて、体力増強中。花粉と闘いながら走ってます(笑)
チャレンジへ向けて、体力増強中。花粉と闘いながら走ってます(笑)