LAのダウンタウンにあるステープルズ・センター
LAのダウンタウンにあるステープルズ・センター

アメリカのスポーツと言えば、4大プロスポーツ「MLB(野球)」「NBA(バスケットボール)」「NFL(アメリカンフットボール)」「NHL(アイスホッケー)」が有名ですが、秋から冬にかけてはNBA、NFL、NHLが同時期に楽しめるスポーツ好きにはたまらない季節です。ここロサンゼルス(LA)には、MLBはドジャース、エンゼルス、NBAはレーカーズとクリッパーズ、NFLはラムズとチャージャーズ、NHLはキングスとダックスと各リーグで2チームが本拠地を構えていて、LAっ子たちの多くはそれぞれ自分の贔屓のチームがあります。特にNBAは人気が高く、この時期はレーカーズ、クリッパーズ、キングスの3チームが本拠地としているステープルズ・センターは、連日大勢のスポーツファンで賑わいます。

NBAレーカーズとクリッパーズが本拠地を構えるステープルズ・センターは、LAのバスケファンには欠かせない場所
NBAレーカーズとクリッパーズが本拠地を構えるステープルズ・センターは、LAのバスケファンには欠かせない場所

LAのダウンタウンで1999年にオープンしたステープルズ・センターは、治安の悪かった90年代にダウンタウンの再開発プロジェクトの一環として3億7500万ドル、日本円にすると約400億円もの巨額の建設費を投じて建てられた屋内競技場です。エンターテインメントの街らしく、1999年10月17日のこけら落とし公演は、ブルース・スプリングスティーンとEストリートバンドのコンサートが行われました。レーカーズは移転した初年度に12年ぶりとなる優勝を飾り、それから3年連続で王者の座を手にしてLAのスポーツファンを多いに盛り上げました。また、キングスは2012年にニュージャージー・デビルスを6対1で破って本拠地でスタンレーカップを獲得し、ステープルズ・センター周辺は深夜までお祭り騒ぎとなりました。NBA、NHL以外にも1997年に創設された女子プロバスケットリーグWNBAのスパークスもここを本拠地としており、2001年に初優勝、翌年も連覇を達成しています。

NBAはレギュラシーズンの試合数は82試合。今季は10月17日に開幕し、来年春まで試合が続きます。
NBAはレギュラシーズンの試合数は82試合。今季は10月17日に開幕し、来年春まで試合が続きます。

ステープルズ・センターは、NBAやNHL以外にもソルトレイク・オリンピックの選考会となった2002年の全米フィギュアスケート選手権や2004年のNBAオールスターゲーム、2009年の世界フィギュアスケート選手権、2005年のWWEレッスルマニア21など数多くの国際的なスポーツイベントを開催している他、2002年から05年にかけて女子テニスツアーWTAファイナルズも行われています。また、スポーツの大会だけでなく、音楽業界の最高峰とされるグラミー賞授賞式や、2009年に急死したマイケル・ジャクソンさんの公開追悼式、2000年の民主党大会などが開催されている他、ローリング・ストーンズやマドンナ、レディー・ガガ、U2ら人気アーティストたちのコンサートも数多く行われています。

スポーツ観戦はもちろん、人気アーティストのコンサートも見られるLAでは外せない名所です
スポーツ観戦はもちろん、人気アーティストのコンサートも見られるLAでは外せない名所です

オープン当初はまだ治安面に不安もありましたが、再開発プロジェクトの目玉として隣接する土地に2010年に大型複合エンターテイメント施設L.A.LIVEがオープンすると周辺に新しい高層マンションやショッピングモールなども次々とでき、LAの新名所として注目されるようになりました。地下鉄の駅も開通し、L.A.LIVE内にはリッツカールトンとJWマリオットの2つのホテルもあるので、今では夜遅くに試合が終わった後も安心して出歩くことができます。

2度優勝しているNHLキングスも地元では人気のチーム。2007年には日本人初となるNHL選手福藤豊が所属していたことでも知られています
2度優勝しているNHLキングスも地元では人気のチーム。2007年には日本人初となるNHL選手福藤豊が所属していたことでも知られています

NBAはスポーツであると同時にエンターテインメントとしての要素も強く、演出や音響など華やかさは4大スポーツの中でもピカイチ。また、NHLも選手同士が激しくぶつかり合う音、息遣い、スティックでパックを打つ音などを3階席からでも聞くことができて迫力満点です。これからホリデーシーズンにかけて、本場でスポーツ観戦を楽しむならステープルズ・センターがおすすめです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)