大アユを狙って2日、激流で知られる福井・九頭竜川中部に出掛けた。午前8時から浄法寺橋下流に入川。荒瀬と深トロを、オモリの止め泳がせで攻めて、午後4時までに17~28センチを20匹ゲット。重量感たっぷりの良型アユとの駆け引きを夢中で楽しんだ。

 今年は9月から尺アユが狙える-そう話すのは、森石おとり店さんだ。その言葉通り、前日にあがった尺アユの写真を見せてもらい、期待を胸に車を走らせた。浄法寺橋下流は左岸に分流、右岸に本流と変化に富んだポイントだ。水位は10センチ減水で石にはベッタリとコケがついている。

 まずは右岸の瀬肩からスタート。オモリをセットしてオトリを送り出した。白泡の立つ石の頭でしばらく待つと、ビューンと目印が飛んだ。慎重に寄せると23センチの黄色いアユ。素早くハナカンを通して、瀬の石周りを止め泳がせで探るとガツンとサオに激震。5メートルほど下って瀬脇へ寄せ取り込んだのは、野性的な目つきの26センチだった。追い星クッキリで状態がいい。

 これをオトリに川底へ沈めた。サオを45度ほどの角度でオモリの周辺で泳がせるイメージで攻めると、ブルンと手元に反応が出た。根掛かりのような重みの獲物は、わが物顔で泳ぐ。サオを満月に絞ってヘチへ誘導し取り込んだ。背中の古い針傷が印象的な27センチだ。さらに瀬を攻めると、25センチ級が連続ヒット。アユのつき場は深みで変化のある石周りのようだ。

 それならと、1キロほど下流の三本瀬へ移動。一番流れのきつい右岸へ入った。深トロ狙いで大型を狙い、オトリを送り出した。ベタザオの泳がせ釣りをイメージしながら野アユにアピールすると、ガガーンとヒット、23センチを確保。さらに立ちこんで下流からゆっくり泳がすとコツッと小さなアタリの後に、ビューンと目印が上へ飛んだ。サオを曲げて掛かりアユの疾走を止める。タモに納めたのは、肩のいかった28センチの大アユだった。九頭竜川らしいマッチョな魚体に、しばしみとれた。

 午後4時まで粘って17~28センチを計20匹キャッチ。大アユの強烈なアタリと引きに興奮のさめない釣行で、まだ釣りたい気持ちをおさえて川を後にした。【日刊FPC・糸数恵士】

 【今後の見通し】尺アユ狙いは本番突入。ころがしの入りにくい深みのあるポイントで、じっくりと狙いたい。増水後は期待大だ。おすすめは、友釣り専用区の浄法寺橋下流、中島、坂東島周辺。

 【問い合わせ】九頭竜川中部漁協【電話】0776・61・3219(テレホンサービス)。入川券は年券1万2000円、日券3000円。

 【交通】北陸自動車道の福井北ICから国道416号に入り、東古市の交差点を左折。同364号に入り鳴鹿橋を越えて、最初の信号を右折。県道17号を東へ走り、浄法寺橋下流へ。