ここ数年、3月ごろまで狙える大阪湾のタチウオ。シーズン終盤に向かう中、船中釣果が1000匹を超えたと聞き9日、「上丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で大阪湾(洲本沖)に出た。食い渋るドラゴン級の小さなアタリを的確に誘い取り、70~128センチの脂の乗ったデブゴンタチウオを33匹仕留めた。竿頭は左舷ミヨシで47匹を釣り上げた近藤正典さん(枚方市)。寒風吹く中だが、出船出来れば脂の乗ったタチウオが数、型共に期待できる。

 午前6時、泉佐野を出港し約1時間で洲本沖のポイントに到着。40~50隻の僚船がひしめく中、船長の長年のカンで潮を読み、エサの反応を探し15分ほど流すと、船団から少し離れたポイントで船が止まる。緩やかに下り潮がいく中、船長の合図で一斉にエサの冷凍イワシをワイヤで巻きつけたテンヤを下ろす。

 1投目、水深60メートル少し手前で何やらタチウオのアタリならぬ重い引き。上がってきたのはコウイカだった。再度投入するが、同じポイントでまたもコウイカ。すると船長が「前でもう1人2~3本取ったで!」。

 探知機にもエサの反応がある水深60メートルのタナをきっちり取り誘うと、タチウオ独特のガツガツというアタリ。すかさず合わせを入れると、サオが大きく弧を描いた。何度か締め込む引きをかわし釣り上げたのは90センチ級の本命。その後70~90センチを8匹、50センチほどの新子を3匹リリースしたところで反応がなくなり、ポイントを移動する。

 少し起伏のある水深90メートル付近のポイントを何度か流し、ひと流し2~3匹を追加するが、良型に巡り合えず、船長の判断で船団を離れ大きく移動。水深100メートル超のポイントで大きな反応を見つけた。

 1投目、少し速い目の潮も動いているのでラインを90メートル出し、大きくシャクリを入れ仕掛けを止める。するとコン! という小さなアタリ! 早巻きで2メートル巻き上げ止めると、サオが一気に海面に持って行かれ、電動リールも巻けない。根掛かりかと思わせるドラゴン級独特の強烈な突っ込みを、ロッドの粘りで何度も慎重にかわし取り込んだのは指8本、でっぷりと肥えたこの日船中一番となった128センチのデブゴンだった。さらに同じポイントを流すと、船のあちらこちらで100センチ超えを含み良型が次々と顔を見せた。私も1時間ほどで良型8匹を追加して納竿とした。【日刊FPC・多田正人】

 【今後の見通し】冬本番を迎え寒くはなるが、水温もまだ高く、タチウオはこれからでも十分型、数釣りともに楽しめる。「上丸」では船中1000匹を超える釣果報告も複数ある。今回のようなドラゴン級も狙え、小ぶりな新子もあるが平均80~90センチ超のタチウオが顔をみせ、豪快な引きを堪能できる。

 【問い合わせ】上丸【電話】090・8383・6633。乗合船料金は1万円。出船は午前6時(同5時半集合)、納竿は午後3時。エサ、氷付き(船内にも十分にあり、補充も可能)。

 【交通】阪神高速4号湾岸線の泉佐野北出口を出て住吉町の信号を右折。突き当たりを左折。「おさかなはうす」をすぎてから右折し、北中通漁協内の乗船場へ。