2020年も東京湾はアジでにぎわっている。アジ釣りが大好きな俳優哀川翔(58)が川崎「つり幸」から出船した。吹きすさぶ北風でかじかむ指先をさすりながら、年齢と同じ58匹をキャッチ。仲間6人と違うタナをとりあって、釣れる最短距離を出す知能戦を繰り広げた。哀川ONE TEAMで今年も楽しく釣りしちゃうぞ!

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さすがに1月だ。雨は降らなかったけど、強い北風にやられたな。指先が冷たくなってアオイソメがまともにハリに掛からない。ちょっとした釣りの豆知識だが、防寒着のポケットに「貼らないタイプ」の簡易カイロを入れて、指先を温めてもいいかもしれないね。

そのやっかいな寒さは、豊漁へのサインなんだよね。これだけ冷たい風が吹くということは、昨年からぬるかった海の温度が下がる可能性を示している。

冷たい水の中で泳ぐアジ。想像してみてくれ、アジにはカイロなんてない。自分の身を脂をまとって対処するしかないんだ。寒くなればなるほどにおいしいアジになっていくわけだ。

だから、この寒さを乗り越えるには「アジがうまくなる冬なんだから仕方ない」と観念して、根性で乗り切ることにしようか。

さて、釣りだけど、相変わらず東京湾のアジは絶好調だな。川崎「つり幸」から乗船した。強い北風もあって、東京湾ではなく、サオを出したのは京浜運河。「つり幸」の桟橋からわずかに10分だった。つまり、移動時間が短い→釣りの時間が長い→いっぱい釣れる。いいことばかりじゃないか。

今回、オレの隣には、ヤマリアのエサ釣りのエキスパート山中陽介に座ってもらった。使う仕掛けは「東京湾金アジ」。いかにも釣れそうだ。

山中 最近は太いハリスを使うLT(ライトタックル)アジもありますが、ここはハリスを1・5号に落として、アジにハリスを意識させずに食わせます。あとはアジの居場所を的確に探ることが大事ですね。

なるほど、アジの群れがどこにいるか、そいつを探ればいいんだな。

いっぱい釣るには仲間との情報交換が必要だろうと考えた。今回、オレ以外に6人が乗った。ちょっとずつ違うタナ(魚の泳層。仕掛けで狙う縦方向のポイント)にそれぞれが合わせる。東京湾金アジ仕掛けは全長2メートル。海には流れがあるからオレは、コマセカゴを落として1メートル上げた。その他は底から1・5~4メートルまでばらばら。

最初は山中だった。同1・5メートルでイシモチがきた。そしてオレには小さいアジ、同2・5メートルで25センチぐらいの良型。どうやら底にコマセカゴを落として1~3メートル引き上げるのがアジのヒットゾーンだ。サイズのいいアジは2・5~3メートルの浮いた層が有効だった。

情報交換、大事だな。最多は山中の175匹、オレは自分の年と同じ58匹とキリは良かった。

家族で乗って、お父さんやお母さんだけじゃなくて、おじいちゃんとおばあちゃんと乗れば子どもも楽しいかもしれないな。アジの居場所の情報交換は家族の絆を深くするかもしれないぜ。

▼川崎「つり幸」【電話】044・266・3189。アジ乗合船は午前6時50分出船で、氷&エサ&仕掛け1組付きで6500円。割引料金は気軽に電話してください。午後便もあるよ。