「動のアマダイ」内房金谷リレー便「静の黄金アジ」

  • 美しい朱色だ
  • 初めての船釣りで「アジだぁ~、やったぁ」
  • 深場のアジ。大きさ、申し分なし!

<釣りをしようよ!!>

釣り特集が新企画「釣りをしようよ!!」で新装オープンしました! 魚がハリに掛かったときの大興奮を紙上で再現しちゃいます。初回は千葉・内房の金谷「光進丸」のアマダイ&黄金アジのリレー便で~す! 「動のアマダイ」と「静のアジ」のアクションが釣る秘訣(ひけつ)なんですよ。金谷沖の魚とじっくり遊んでみましょうか。また、各地からいろんな釣りにまつわる情報も満載しました。

金谷といえば「黄金アジ」だ。釣り船の朝は早い。日の出前に港を出て、船上で朝日を浴びることになる。金谷沖は、東側の鋸山(のこぎりやま)からゆっくりと太陽の光の筋がそそがれる。アジ釣りはビシという編み目のカゴに寄せエサとなる「コマセ」を入れて、アジを集める。このコマセの効果が出てきて、プルルンとアジのアタリを感じるタイミングで、ちょうど朝日が見えてくるのだ。

元気よくはねるように海面から飛び出してくるアジ。そのアジの体色は、こぼれ出る朝日と重なって、キラキラと輝いてみえる。体色は青黒くなく、イエローともゴールドの混ざったようなまぶしさを放つ。このアジのキラキラと金谷の「金」を掛けて「金アジ」とか「黄金アジ」と自然と呼ばれるようになった。

なぜ、キラキラするのか?

金谷「光進丸」の岡澤裕治親方が解説する。裕治親方は船も操舵(そうだ)するが、光進丸では、3人の若手船長がかじを握る。裕治親方は42歳の若さながら「親方」として光進丸をまとめ「岡澤釣具店」としても沖磯にクロダイやメジナの釣り客を渡す船長としても名が知られている。ちなみに声の大きさと黄金アジを語る名調子は金谷港では1番かもしれない。

裕治親方 よろしゅうございますか、金谷には天下の鋸山がドデンと構えてございます。風光明媚(めいび)で豊かな自然に囲まれて、ハラリと落ちる葉っぱが銀座のクラブのじゅうたんのようにフカフカになるんでございます…行ったことないけど。その落ち葉が川の水に浸されて、海に流れ込んでくる。鋸山のミネラルをたっぷり含んでいる。2本の川が大事なミネラルを運んでくれて、金谷の海底の突起した岩にぶつかる。栄養豊富なプランクトンがわいて、アジがモリモリ食べる。これが黄金アジの正体でございます。

これは決して講談でも落語でもない。もはや科学的根拠なども必要のない金谷で受け継がれてきた伝統なのだ。この講釈、船に乗っていただければ、耳にすることができますよ。

さて、釣りの話。光進丸では、今年2月25日から黄金アジはアマダイとのリレー便になった。えっ、金谷でアマダイ? 今まで聞いたことがなかった。

これは金谷の海底の地形が関係している。陸地から眺めると海はのっぺりとしてどこまでも同じようにみえる。しかし、海底には表情の大きな変化がある。特に金谷は急に水深500メートル以深に落ち込んでいく「東京海底谷(かいていこく)」の入り口に当たる。水深80~100メートルからストンと深海に入っていく際付近がアマダイのすみかになっているのだ。裕治親方はそこに目をつけた。

港を出て約15分。アマダイ釣りのポイントに到着する。この日の水深は85~90メートル。コマセは使わず、片天ビン仕掛けにオモリ60号。全長2メートルの2本バリを使う。エサはオキアミで、着底したら、3メートル上げる。リールに巻いてある道糸には1メートルごとにマークがされているので、マークを3つ巻きあげるとちょうど「底から3メートル」の状況をつくることができる。

アマダイは底に潜って頭だけ出しているか、底をはうように回遊している。底には起伏があるため、3メートル上げて放っておくと、底から5~7メートル浮いてしまうこともあるため、3~5分ぐらいの間隔で仕掛けを底に落としてまた3メートルあげる。この動かすアクションを繰り返すことでアマダイの気を引くことになるのだ。おいしい外道としてはホウボウ、ムシガレイ、マトウダイなども釣れたりする。

そして、アマダイの後は黄金アジだ。水深は同じようなエリアになる。浅場ではない。浅場とは違ってサイズは25センチ超が主流だ。そして体色はキラキラ。60号ビシにイワシミンチのコマセを詰めて、着底したら、少しずつサオを振って仕掛けの長さ分の2メートルをあげてくる。コマセの煙幕の中に仕掛けを潜り込ませる作戦ですね。

ここで気をつけなきゃいけないのは、2メートルあげたらピタリと動きを止める。ハリにはアオイソメがついています。アマダイで余ったオキアミをつけてもいい。アジはコマセで引きつけているので、あとはしっかり食わせるだけ。動かさずに「さあ、お食べ」というスキをつくりましょう。

プルルン!

水深80メートルから道糸を伝って、サオを握る手に届きます。この黄金アジの元気の良さを全身で感じてください。東の陸地には鋸山、そして西側には運が良ければ富士山がクッキリ見えるはず。さあ、金谷でアマダイ→黄金アジのリレー釣りを満喫してみましょう。もちろん、初心者さん、大歓迎ですよ。【寺沢卓】

▼金谷「光進丸」 【電話】0439・69・2697。アマダイ→黄金アジのリレー便は午前6時30分出船、氷、アジ用のコマセ&アオイソメ付き(アマダイのエサ別)で9000円。5月1日から夏時間で出船は同6時。黄金アジ、ウイリー五目船もあります。お気軽に電話ください。