洗口剤2つに分かれる殺菌作用/照山裕子の健康連載

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<防げフレイル!人は口から老いていく(30)>

洗口剤に含まれる殺菌成分は、その作用機序(メカニズム)で大きく2つに分かれます。

(1)歯やバイオフィルムの表面に付着して作用するもの グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、塩化セチルピリジウム(CPC)、塩化ベンゼトニウム(BTC)などがあります。陽イオン化合物のため、陰イオン性を示す細菌表層に吸着して殺菌作用を発揮するのが特徴で、バイオフィルムの表面に存在する細菌にも有効です。また、歯面に付着することで、プラークが付着しづらくなる効果も実証されています。普段のブラッシング後に使用するのはもちろん、歯科医院できちんと汚れを取ってもらった後のきれいな歯面をキープするためにも使いやすいのですが、実は一点、注意すべきポイントがあります。一般的な歯磨剤(しまざい=歯磨き粉)に含まれる発泡剤や研磨剤は負に帯電しているため、ブラッシング直後にそのままゆすぐと、陽イオンを持つこの種の洗口剤の効果を不活性化してしまう恐れがあることです。1度水でしっかりとゆすぎ、歯磨剤を取り除いた後で洗口剤を使うことが必要です。

(2)バイオフィルム深部へ浸透し作用するもの ポピドンヨード(PI)、エッセンシャルオイル(EO)、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)などがあります。歯やバイオフィルム表面への吸着は弱く、バイオフィルム内部に浸透して殺菌作用をします。ブラッシングとブラッシングの間に行う洗口で使用すると、形成され始めた微細なバイオフィルム内部にも浸透してプラーク形成を抑制するとされています。PIは金属に対する腐食作用があるため、口の中に金属の詰め物やかぶせ物、インプラントが入っている方には適していません。EOは殺菌作用のほかに抗炎症作用も持ち、バイオフィルム内部への浸透が非常に早いのが特徴です。IPMPは歯磨剤にも配合されていることがあり、相乗効果も期待できます。

◆照山裕子(てるやま・ゆうこ)歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。分かりやすい解説はテレビ、ラジオでもおなじみ。昨年出版した「歯科医が考案・毒出しうがい」(アスコム)は反響を呼び、ベストセラーとなった。近著に「『噛む力』が病気の9割を遠ざける」(宝島社)。女性医師のボランティア活動団体「En女医会」会長。

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