今回は高ストレス女性と低ストレス女性の「旅行スタイル」の調査(※)について、両者の旅のスタイルに興味深い違いが見られたので紹介する。

▼まず旅行先について調べたところ、「海外旅行」の実施率はストレスレベルで大きな差は見られない。しかしその行程日数を見ると、高ストレス女性で最も多い海外宿泊日数はなんと「1日」。いわゆる海外弾丸旅行と呼ばれる、超短期旅行だ。対して低ストレス女性が最も多く選択する海外宿泊日数は「4~5泊」と、比較的余裕のあるスケジュール。また、「国内旅行」は高ストレス女性よりも低ストレス女性の方が2割ほど多く行っている。宿泊先を選ぶポイントや過ごし方では、共に「清潔感」が第1位。次いで上位に挙がる「喫煙室には絶対泊まらない」は、高ストレス女性と比較すると低ストレス女性が気にする割合が高い。加えて低ストレス女性は「行きつけの宿」を好む傾向にあることから、宿泊先に対して「居心地のよさ」を重視していることが分かる。高ストレス女性は「アメニティーの充実」「Wi-Fi(ワイファイ)環境」「温泉の質」「エステ・マッサージ」と、「施設へのこだわり」で宿を選ぶ傾向にあるようだ。

▼旅の楽しみ方にもそれぞれの特徴が表れている。高ストレス女性は「趣味の旅」「詰め込み型のプラン」といった“目的型の旅”をしている人が多いのに対し、低ストレス女性は「SNS・スマホは極力使わない」「現地の人との交流」という“つながり型の旅”を重視する傾向にある。これは旅先での交流を優先した行動であり、ストレスホルモンの分泌を抑制するオキシトシンの活性化を促す可能性は十分に考えられる。

さらに低ストレス女性が大きな差をつけて上回った項目が「荷物は少なく」であることを加味すると、身軽に移動し、旅先でのコミュニケーションそのものを楽しむ旅行スタイルが低ストレスであることと関わりがあると考えられる。ぜひ旅先での行動の参考にしたいものだ。

※女性7万人を対象に行った「ココロの体力測定2016」調査(株式会社メディプラス研究所)