ロシア有力紙コメルサント(電子版)は9日、複数の消息筋の話として、北京五輪フィギュア団体金メダルで、女子シングル金メダル候補の15歳、カミラ・ワリエワ(ROC)がドーピング検査で陽性反応したと報じた。大会前に提出したサンプルから禁止薬物のトリメタジジンが検出されたという。検出されたのは少量のトリメタジジンとは一体どんな薬なのか。

高島平中央総合病院スポーツメディカルセンター長の元島清香氏によると、心臓の病気である狭心症、心筋梗塞などの治療などで使われる薬だという。血管を広げ、血流をよくしたり、血管の中で血液が固まることを防ぐ作用がある。

アスリートが使用すると、どんな効果があるのか。元島氏は「ドーピングというと、筋肉増強のイメージがありますが、今回のケースはリカバリーを促進するものだと思います」と話す。完璧な演技をするためには、いかにハードトレーニングを持続するかが大事。たとえばハードトレーニングを3日に1回から2日に1回できるようになれば、当然、アスリートとしてはプラスになる。そのために、肉体疲労からの回復を促す効果を得たのかもしれない。