「オリンピックのチケットが欲しい!」。多くの読者の声に応え、4月の1カ月間「チケット特集」をお送りします。購入方法からお得なチケット、さらに観戦の裏技まで徹底取材。第1回は、5月にもスタートする一般販売チケットの申し込み方法を詳しく解説します。日刊スポーツのキャラクター「ブル男」が、組織委員会マーケティング局チケッティング部の鈴木秀紀部長(55)を直撃。いろいろと聞いてきました。


2020年東京大会は大勢の人に足を運んでほしいと語る鈴木チケッティング部長(撮影・河田真司)
2020年東京大会は大勢の人に足を運んでほしいと語る鈴木チケッティング部長(撮影・河田真司)

やあ、ブル男だよ。来年の7月は楽しみだね。絶対に見にいくよ。みんなも生で大会を見たいと思っているんじゃない。いいと思うよ。ただ、どうやってチケットを手に入れるのか、難しいんだなあ。だから、晴海にある2020東京大会組織委員会にいったんだ。チケット担当の偉い人に、買い方をじっくり聞いたよ。

--どうしてもチケットが買いたいんですけど、どうすればいいんですか

鈴木 まず最初に東京2020IDに登録してください。これが今後開設される公式チケット販売サイトにアクセスする時のIDになります。登録者には、発売日などメールでチケット情報をお送りします。これをチェックして、購入してもらえればと思います。

--インターネットができないと、ダメですね

鈴木 ネットにも長所短所はありますが、いろいろ検討した結果、日本全国のみなさんに広く買っていただくために、いいかと。チケット販売所では物理的に行くのが難しい場合もあります。一番公平に買っていただけると思うのです。

--ネットが使えない人は買えないんですね

鈴木 ご年配の方をはじめ、慣れていない方もいます。これを機会に勉強していただければ。ご家族で協力して、楽しみながら買っていただければうれしいですね。障害のある方などでインターネットは難しいという方には、コールセンターで対応することも検討中です。

--どうしても、窓口で買いたいという人は

鈴木 20年の春からは、都内に販売所を設ける予定です。場所は都心のどこかになります。引き続きネット販売は行いますので、両方活用して購入していただければと思います。


主な競技のチケット価格
主な競技のチケット価格

--彼女と行きたいのですが、一緒に買えますか

鈴木 1つのIDで一度に複数枚買えます。何人までにするかは、今検討中。過去大会の例をみると少ないところで2人、多いところは6人から8人ぐらいです。

--それは全員名前を書かないとだめですか

鈴木 枚数分のお名前を書いていただくことが必要です。ただ、一緒に行こうと思った子どもが行けなくなったなどで、名前を変更することは可能です。

--1人でいくつもの試合に申し込めるのですか

鈴木 それも、今検討中なのですが、ある程度上限を決めるかもしれません。柔道など全試合を見たくても、1セッション(1日の予選、決勝)ごとに買っていただくことになります。

--たくさん申し込めば、どれかに当たりますね

鈴木 ただ、抽選で当たったチケットはすべて購入する必要があります。当選した中から購入するかどうかを決めることはできません。だからこそ、よく検討してほしいのです。

--分かりました。もし、行けなくなった場合は、オークションサイトにでも出せばいいですか

鈴木 公式リセール(再販売)のサイトを開設します。不要になったチケットは、必ずここでリセールしてください。他の方法で入手したチケットは入場ができません。購入の際にも、ルールとして公式サイト以外で扱うチケットは無効になることが明記されています。必ず、公式なルートで買ってください。

--やはり、チケットを買うのは大変ですね

鈴木 五輪とパラを合わせてチケットは1000万枚以上あります。確かに人気でとりにくいものもありますが、幅広く考えて購入してほしい。生で観戦することで、新しい出会いが必ずあると思います。


東京五輪観戦チケット入手の道
東京五輪観戦チケット入手の道

--どの種目がいつあるかが分からないですが

鈴木 申し込みをいただく時には、各競技の細かな日程も情報としてお届けする予定です。ただ、スケジュールは途中で変更になる場合もあります。大会を見るという感覚で申し込んでいただければいいですね。

--当選しやすいのは、どんなチケットですか

鈴木 過去の大会で人気が高かったのは、やはり開閉会式や、競泳ですね。実際に申し込みがないと分からないのですが、個人的に狙い目だなと思うのは、平日午前中の競技ですかね。新国立競技場の陸上も午前決勝の方が狙い目かもしれません。あくまで、私個人の意見ですけど。

--では、鈴木さんが見たいと思う競技は

鈴木 新たな経験が楽しめそうなユニークな競技。例えばラグビー7人制のスピード感や、カヌー、スラロームの迫力。また、新たに加わった競技、新しいスターの誕生を見るのもいいですね。あとは富士スピードウェイの自転車。素晴らしい景色と空気の中で、開放感にひたれます。


--具体的な買い方なんですけど、チケットはすべて抽選になるのですか

鈴木 まず申し込んでいただいて、人数が多い場合は抽選になります。もちろん、少なければ抽選はなく購入していただけます。多くの人に公平に購入していただきたいので、抽選という方法にしました。

--どうしても開会式が見たいのですが、かなり倍率は高くなりますよね

鈴木 実際に申し込みがないと何とも言えないのですが、過去大会の例からすると開会式はとても人気が高いイベントです。まずは申し込んでいただきたい。そして、抽選の結果を待っていただきたいですね。

--開会式のチケット料金が高いのも、人気があるからですよね

鈴木 そうですね。価格は過去の大会のデータや、日本での人気などを、総合的に判断して設定しています。ただ、価格帯は幅広いので、高いチケットだけではありません。人気競技でも、買いやすいチケットはありますよ。見たい競技、スケジュール、席の種類などよく考えて、申し込んでください。