陸上男子100メートルで9秒98の前日本記録保持者・桐生祥秀(24=日本生命)が15日、オンラインで取材に応じた。

今季の記録的な目標については「日本記録をしっかり出していきたい」と語った。昨秋の世界選手権(ドーハ)を最後に実戦から遠ざかり、まずは試合勘を取り戻すことを課題に挙げた。現在は東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで普段通りの練習を積んでいる。10月の日本選手権(新潟)では「できることをやって、優勝を取りたい」と東洋大1年時以来、6年ぶりの制覇を目指す。また100メートルだけでなく、200メートルにもエントリーする予定という。

東京オリンピック(五輪)に関しては「(来年への)延期は100%プラス」と言い切る。肉体的にも精神的にも成長を自分で感じるから、「100%」と断言できる頼もしさがある。自粛期間中は練習は制限されたが、メリハリを大事に今できることに専念。「世界中みんな練習に関しては満足いっていないと思う」。そう話す姿には余裕がある。ストレスは「スーパーに行く事が敏感になった」ぐらいだ。気持ちが後ろ向きになることはなかったようだ。

「1年後もすぐ来る。もうリオから4年。すごい早い。オリンピックは世界陸上とはまた違う花形でもある。いろんな人が見てくれる。しっかり100メートル、リレーで勝負したい」。そう決意を込めた。